「海外では展開しないの?」――日本文化と最新技術が生んだドコモのサービスと端末Mobile World Congress 2010(1/2 ページ)

» 2010年02月17日 01時24分 公開
[田中聡,ITmedia]

 日本の通信事業者では唯一、Mobile World Congress 2010に出展しているNTTドコモ。同社のブースでは、海外ではなかなか見られないドコモならではのサービスや端末が披露されており、来場者の注目を集めていた。

 ブースの入り口付近には「iコンシェル」と「オートGPS」を紹介。これらレコメンド型のサービスは海外では珍しく、説明員によると、来場者からは「世界でも展開しないのか」といった声が多く挙がったという。iモードのように、実際に世界で展開する予定はないのか説明員に尋ねたところ、「海外と日本では文化や国民性が違うので、簡単には導入できない」とのこと。「例えばオートGPSを利用した終電アラームは、時間の厳しさや正確性を求める日本ならではのサービス。終電に乗る機会が少なかったり、電車が頻繁に来たりする国なら、こうしたサービスは必要とされないだろう。海外ではまだWebアクセスの世界から脱していないことも大きい」(説明員)

photophoto iコンシェル(写真=左)とオートGPS(写真=右)

 子どもの居場所をケータイやPCで探せる「イマドコサーチ」や、らくらくホンシリーズなどに提供されている「音声入力メール」も、日本独自のサービスとして注目を集めていた。イマドコサーチについては、サービス内容はもちろん、展示されていたキッズケータイ「F-05A」の防犯ブザーも来場者の興味を引いていた。「GPS機能に特化した、もう少し小さい端末があるといいという感想もあった」(説明員)。音声入力メールもかなりの反響があったようだが、「現在は日本語しかサポートしていないと聞いて、がっかりする方も多かった」とのことで、英語版の音声入力メールを望むユーザーも多いようだ。

photophoto 「イマドコサーチ」(写真=左)と「キッズケータイ「F-05A」(写真=右)
photophoto 「音声入力メール」(写真=左)と、対応機種の1つ「らくらくホン プレミアム」(写真=右)

 富士通製の最新モデル「F-04B」は、世界初のセパレート機構を採用しているだけあり、「これは本当に1台の電話機なのか」と驚く来場者が多かったという。説明員によると、「分離したディスプレイとキーそれぞれの薄さに驚かれる方や、それぞれがどうやって通信をしているのか(Bluetoothを利用する)という声も多かった」という。

photophoto 卓上ホルダで充電中の「F-04B」(写真=左)。左にあるのは、F-04Bのオプション品として提供予定のプロジェクター(写真=右)
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 エコをテーマにした活動を示す端末として、ソーラーパネルを搭載したシャープ製の「SH-08A」と、2009年のCEATEC JAPAN 2009で展示した“ヒノキケータイ”こと「TOUCH WOOD」を展示。来場者の中には、10分のソーラー充電で1分しか通話できないのは少ないのでは、という感想を持つ人もいたようだが、「ソーラー充電はあくまでサブ的な位置づけ。1分あれば緊急電話はできるといったことを説明している」(説明員)とのこと。なお、説明員によると、SH-08Aは4万台が販売されたという。TOUCH WOODについては、ボディに木を用いていることはもちろん、間伐材を素材に使っていると聞いて「いいアイデアだ」と感心した人が多かったとのこと。

photophoto ソーラーパネルを搭載した「SH-08A」(写真=左)とコンセプトモデルの「TOUCH WOOD」(写真=右)
photophoto TOUCH WOODにはヒノキの間伐材を使用(写真=左)しているほか、高度な耐久性・耐水性・防虫性・防カビ性を実現するオリンパス独自の製法を採用した(写真=右)
photophotophoto 女性向けモデル(写真=左)やスマートフォン(写真=中)、アクセサリーブランド「Q-pot.」とコラボレートした「SH-04B」なども展示されていた(写真=右)
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