最新のHigh Specでは、先の述べたように、クアッドコアのAPQ8064Tを搭載して1.7GHzの高速クロックで駆動するが、そこから発生する熱をすぐに拡散してプロセッサーの動作クロックを下げないように、熱伝導に従来のグラファイトシートではなく、ヒートパイプを採用している。PCのCPUやGPUのクーラーユニットで採用例の多いヒートパイプも、軽量化と内部容量の制約が厳しいスマートフォンで搭載するのは難しい。MEDIAS X N-06Eでは、2ミリ径のヒートパイプを使い、本体には板のようにつぶした状態で実装している。
このほかにも、MEDIAS X N-06Eでは、本体を裏返すだけで着信音と振動をオフにする「ファストサイレント」や、画面を見ている間はディスプレイが消灯しない「オートスリープ」、かばんの中では着信音やアラーム音を徐々に大きくしていき、かばんから本体を取り出したら小さくする「しっかり着信音/しっかりアラーム」、ユーザーの動きを感知して、ユーザーが立ち止まったら移動中に受け取ったアクションの再通知をする「受信リマインダー」、そして、ユーザーのいる場所にあわせて無線LANモジュールのオンとオフを自動で切り替える機能など、内蔵したセンサーを応用した機能を多数用意している。
音声通話では、自分の話した声を相手に聞こえやすくするように、周囲ノイズを低減して音質を補正する「クリアスピーチ」「クリアスピーチ for しゃべってコンシェル」と、相手の声を聞こえやすくする「パイパークリアボイス」「スローボイス」「EQセレクトボイス」を導入する。EQセレクトボイスでは、高周波帯の音量を制御することで、はっきりと聞こえるか、または、やわらかく聞こえるように音質を調整する。また、ノイズ低減のためには、周囲の環境音を拾う必要があるが、そのためのサブマイクを背面の2カ所に搭載し、通話利用と音声検索利用時で使用するサブマイクを自動で切り替える。
MEDIAS X N-06Eで導入した新しいホーム画面の「LIFE UX」では、コンセプト、デザインについて同社クリエイティブスタジオ クリエイティブマネージャーの迎義孝氏から説明があった。LIFE UXのコンセプト「つながるをもっと楽しく快適に」を実現するために、過剰な装飾を排した最小限のデザインを取り入れている。その上で、デザインテーマを“日本の美意識”と定め、カラーテーマも日本の自然と伝統的な色彩を参考にして「アジサイ」をイメージするカラーパレットを用意した。
LIFE UXの画面は、ロック画面の「LIFE UX Lock」と5画面構成のホーム画面、そして、アプリケーショントレイを用意する。さらに、ホーム画面の左端には時系列リストで個人情報を管理する「LifeWay」を備える。LIFE UX Lockでは、タッチすると現れるショートカットアイコンや、重力を検知して画面を動き回るボールの色や大きさで電話やメールの通知を知らせる「インフォフレーク」が利用できる。
LifeWayでは、現在の時間や天気などを告知する白いバーの上下に時間軸で並べたイベントを表示する。未来のリストは予定を表し、過去のリストはメールや着信、SNS(現時点でFacebookに対応)の投稿履歴が並ぶ。過去のリストをクリックすると、通話履歴なら電話をかけたり、後から電話をかける予定を入力して相手にもメッセージを送ることができたり、未来のリストでは、予定時間だけでなく移動した場所がしてたエリアに入ったら通知する機能も備えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.