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» 2014年03月06日 20時50分 UPDATE

「現場での連携が課題」――NTTグループが陸上自衛隊と防災訓練を実施【画像追加】

NTTグループと陸上自衛隊は3月6日、朝霞駐屯地で防災訓練を行った。首都直下型地震による被災を想定したもので、NTTグループが自衛隊による人命救助と被災地の復旧活動を支援した。

[村上万純,ITmedia]

 NTTグループと陸上自衛隊東部方面隊は3月6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地で共同総合防災訓練を実施した。NTTグループからはNTT東日本、NTTドコモが中心となって参加した。NTTグループ各社が自衛隊と連携し、訓練を公開するのは今回が初となる。

photophoto 訓練の様子

 訓練では、東京で首都直下型地震が発生したことを想定。災害時の初動として自衛隊が人命救助を行う際に、NTTグループが通信面でそれらを支援し、その後、避難所やライフラインのインフラを復旧していく様子を実演した。

 訓練会場では、NTTグループが訓練で利用した災害対策機器の展示が行われ、可搬型衛星基地局や衛星移動基地局車、可搬型Wi-Fi装置、移動電源車などが登場した。

photo 衛星移動基地局車
photophoto 可搬型衛星基地局(写真=左)。移動電源車(写真=右)

 NTT東日本ネットワーク事業推進本部サービス運営部災害対策室室長の久保田伸氏は、「具体的に現場でどう役割分担し、動いていくかなど、慣れが必要なところはさらなる訓練がいる」と総括した。

3.11以降求められるのは、“迅速な”運用

 NTTドコモサービス運営部災害対策室室長山下武志氏は、「東日本大震災以降の災害対策は、いかにうまく迅速に支援活動を運用するかを特に重視している」と話す。有事に最優先すべきは人命救助活動であり、「救助に向かう自衛隊の要請に、いかに早く応えるかという部分で、自衛隊との連携が必要だと考えている」と共同訓練の趣旨を説明した。

 今回の訓練は、大きく以下の4つの内容に分けて実施された。

<初動>

 被災状況の確認。

<自衛隊の人命救助活動>

 活動エリア「神奈川自衛隊拠点」への通信確保。

<避難所への通信確保>

 避難所の通信確保。

<通信におけるライフライン復旧>

 固定および移動通信の復旧。

photophoto 震度7の首都直下型地震を想定(写真=左)。自衛隊のヘリが訓練会場の様子を映像で伝える(写真=右)
photophoto 通信機材を乗せた自衛隊のヘリが到着(写真=左)。積み込み先の車両に搬入する(写真=右)
photophoto 「神奈川自衛隊拠点」を想定し、通信機材を搬出(写真=左)。各機材の設置準備を行う(写真=右)
photophoto 可搬型通信機器や固定電話などを設置する
photophotophoto 機材を乗せた自衛隊の輸送ヘリが到着(写真=左)。搬入先の車両に機材を積み替える(写真=中)。NTTの車両もヘリに乗っていた(写真=右)
photophotophoto 移動基地局車などが避難所に到着した(写真=左)。NTT東の可搬型Wi-Fi装置を設置している(写真=中)。「IP-STAR」のアンテナ(写真=右)
photophotophoto 被災した基地局アンテナを想定した鉄塔に応急復旧用機材を取り付ける(写真=左)。応急復旧時の伝送路となるNTT東の可搬型ディジタル無線装置(写真=中)。基地局と交換局・中継局を無線で接続するドコモの非常用マイクロエントランス(写真=右)

 両者の連携は、NTTグループが被害情報の提供や通信環境面で支援し、自衛隊が復旧資材の運搬などを行い、人命救助や避難所での支援活動を行うというもの。具体的には、NTTの情報掲示板を活用した災害情報の提供、自衛隊への衛星携帯電話の貸し出し、ヘリコプターによる可搬型通信機材の搬送などを行う。

現場で活躍する通信機器たち

 訓練会場に登場した通信機材は、ドコモの「可搬型衛星基地局」「5GHz帯無線アクセスシステム」「衛星移動基地局車」「非常用マイクロエントランス」、NTT東日本の「可搬型衛星通信装置(新型ポータブル衛星装置)」「可搬型ディジタル無線装置」「可搬型Wi-Fi装置」「移動電源車」など。このほか、衛星携帯電話やNOTTVによる災害時専用データ放送なども用意された。

photophoto 「可搬型ディジタル無線装置」(写真=左)。「5GHz帯無線アクセスシステム」(写真=右)
photo 衛星携帯電話

 可搬型装置は文字通り持ち運び可能なため、自衛隊のヘリコプターで運搬し、その場で機材の組み立てと設置が実演された。5GHz帯無線アクセスシステムは最大185回線を収容可能で、衛星移動基地局車は、衛星回線使用時は同時に20回線が接続できる。非常用マイクロエントランスは、交換局と基地局・中継局間を無線接続する大型システムで、約4000〜1万6000回線を収容可能だ。

 可搬型ディジタル無線装置は伝送路が故障した際の応急復旧に使うもので、50メートル×3本または150メートル×1本の伝送路を作れる。移動電源車は、長時間停電などの非常時に最大2000kVAの電力を供給する大型車だ。


 質疑応答では、大雪で道路がふさがれた場合や、長時間の停電があった際の災害対策について質問が投げかけられた。山下氏は、「まずは停電の復旧が急務だが、人が入れないとどうにもできない。本当に孤立しそうな地域にはバッテリー容量を増やした基地局を設置するなどの対処が必要だが、全ての基地局にバッテリーを積めるわけではない」と説明した。

photophoto 左から山下氏と久保田氏

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