九州で純増1位が続くKDDI、「au FUKUOKA」でさらにブランドを強化KDDI九州に聞く

» 2014年03月07日 20時48分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 KDDIは2月14日、福岡市・天神に九州初の直営店舗「au FUKUOKA」をオープンさせた。同社の直営店は、名古屋の「au NAGOYA」、大阪の「au OSAKA」、そして東京の「KDDIデザイニングスタジオ」に続いて4店舗目だ。

「au FUKUOKA」(写真=左)。国内最大級という「au+1 collection」の品ぞろえが自慢
photo KDDI コンシューマ九州支社支社長の江口高介氏

 九州地区(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)のauユーザー数は333万8900人(1月末時点)と東名阪の次に大きい営業ブロック。4番目の直営店を設置した理由はこの市場の大きさにある。KDDIのコンシューマ九州支社支社長の江口高介氏は、「九州の中心といえばやはり福岡。その福岡で1番おしゃれな場所は天神エリアで、行き交うお客様のセンスがいい街。auのブランドを発信するのにぴったりのロケーション」と説明する。

 auのスマートフォン比率は全国44%で、九州もあまり違いはないという。特に福岡市は人口150万人を超える大都市でもあり、スマートフォンの普及スピードは東京と変わらない。その九州でauは、8カ月連続の純増シェア1位(1月末時点)を記録している。支持されている理由について江口氏は「やはりエリアの良さ」と回答した。なおMNPや「スマートバリュー」の利用は全国平均とはあまり大きな違いはなく、キャリアの“同質化”が進んでいる。

 「市場動向は極大化した大都市のそれと変わらず、常に激戦区。4番目のマーケットであり、auのチカラをもっと出して行きたい。それには人や店舗の力が必要で、スピードもかけていきたい」と江口氏。その拠点となるau FUKUOKAはスマホ人気を反映してか、日本最大級というスペースで「au+1 collection」の製品を展示する。またau OSAKAに次いで導入したテーブル式のカウンターはファミリー層を意識したもので、2階にはキッズコーナーも用意した。さらにラウンジのようなコミュニケーションスペースも備える。携帯電話電話教室やタブレット教室など、ショップ内イベントの強化も検討中だ。

 「家族みんなの乗り換えから、スマホアクセサリーの購入相談まで、関連サービスをワンストップで提供したい。au FUKUOKAで良いものはほかの店舗にも広げていきたい」と意気込みを見せる江口氏。今後は周辺のauショップのスタッフを対象とした研修も計画したいと話す。au FUKUOKAができたことで近くのauショップには影響がありそうだが、「auブランドの向上につながるのであれば」と理解は得ているという。

ソフトバンクホークスのお膝元・福岡 auブランドへの影響は?

 九州・福岡といえばソフトバンクホークスのお膝元。やはりソフトバンクモバイルの人気が高いのかと思いきや、必ずしもそうではないと江口氏は話す。「前身のダイエーホークスの頃は、(KDDIに統一する前の)九州セルラー電話が球団と懇意にしていました。当時のイメージを持っている方は、今でもauブランドを指名してくださいます」(江口氏)。

 また宮崎県は読売巨人軍がキャンプを行うことから、アンチソフトバンクのジャイアンツファンユーザーが多く、長崎県はサッカー人気が高いため、ソフトバンクホークスがあってもauブランドにあまり影響していないという。

 九州全体でユーザーの地域色はあまり強くないそうだが、「強いて言えば、初めはつっけんどんだが、信頼が厚くなると親身になってくれる」(関係者)という土地柄なようだ。

九州のau人気を支えるエリア職人

 先に触れたとおり、九州のau人気には同社のエリア品質の高さが強く影響している。3キャリアが同じiPhoneを販売するなど各社の同質化が進んでいるなか、auは「つながるなんて、もう、当たり前。」をキャッチフレーズに、エリア品質の高さを訴求している。中でも800MHz帯のプラチナバンドを使ったLTEサービスが強みだが、KDDI福岡エンジニアリングセンター センター長の林新一氏は「800MHz帯だから簡単にエリアが作れる。というものではない。高い品質を実現するためには、エリアへのこだわりが必要」と話す。

photophoto 「エリア職人」の概要
photophoto ビルの谷間や地下街などをつぶさに調べ、エリア対策を行なっている
photophoto 郊外や観光地も調査している

 その“こだわり”のためにKDDIは、2012年8月から「エリア職人」という制度を全国的で導入した。これは社員のスマートフォンに電波強度を計測するツールをインストールし、通勤など普段の移動中にエリアの弱い箇所を探すというもの。社員から送られてくるエリアの状況は専任スタッフを開始て技術部門に報告され、実際に現場で対策が取られる。これにはパケ詰まりなどネットワーク負荷に対する対処も含まれている。

 福岡の中心部は地下街やデパ地下などが密集しており、特に地下部での対策にエリア職人制度は効果があった。また地下鉄全線のエリア化も全国に先行して実現できたという。そのほか観光地では山間地の温泉地が多く、都市圏から多くのスマホユーザーが訪れるため、ここでも通信品質の良さが求められる。そうした場所でもエリア職人制度を生かした対策が進んでいる。

 もちろん課題がないわけではない。部分開業から10年を迎える九州新幹線は、路線の半分がトンネルのため、駅間部分のエリア化はこれからだ。九州だけでなく、全国でスマートフォンユーザーはこれからも増えていく。高い通信品質を求めて、エリア職人の出番は当分なくなりそうもない。

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