インターネットキャリアを掲げる「Y!mobile」誕生俺たちは第4のキャリアじゃない(1/2 ページ)

» 2014年03月27日 22時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

ネットが主。通話は従

ヤフー 代表取締役社長の宮坂学氏

 ヤフーは、3月27日にイー・アクセスの株式の99.68%をソフトバンクから3240億円で6月2日に取得することを取締役会で決議した。イー・アクセスとウィルコムは、6月1日に合併を行う予定で、ヤフーはこの合併が効力を発生することを条件にの株式を取得する。

 取得した新会社の「ワイモバイル」では、新しいブランド「Y!mobile」を立ち上げ、従来のキャリアとは異なる、「インターネットキャリア」として事業を展開する。ヤフー 代表取締役社長の宮坂学氏は、Y!mobileのコンセプトとして「ネットの生み出す新しさ、便利さをみんなの手元に届ける」を掲げ、インターネットアクセスを重視したサービスを用意するとしている。

 なお、現在イー・アクセスとウィルコムが提供しているサービス(PHSやMVNO向けサービス、ADSLサービスなど)」は今後も継続していく予定だ。

 イー・アクセスの株式取得を発表した当日には、ヤフー 代表取締役社長の宮坂学氏が、新しく立ち上げる「Y!mobile」ブランドと、そこで提唱する「インターネットキャリア」のコンセプトと指針を語った。

ヤフーはイー・アクセスとウィルコムの合併が有効になってから株式を取得する(写真=左)。取得価額は3240億円で現金で用意した。議決権比率33.29%を確保する(写真=中央)。新会社の名称は「ワイモバイル」で、イー・アクセス 代表取締役社長のエリック・ガン氏はワイモバイルの代表取締役会長に、ヤフーの宮坂氏は代表取締役社長に就任する(写真=右)

 宮坂氏は、Yahoo! JAPANがミッションと掲げる「課題解決エンジン」(情報技術で人々や社会の課題を解決する)の実現のためにY!mobileも貢献していくことを考えている。すべての人にインターネットが利用できるようにしたいというYahoo! JAPANの理想に比して、現在の日本では世帯の86%までインターネット接続が可能になったが、各個人の“手元で”インターネットに接続できるスマートフォンやタブレットの普及率が米国と比べて低いことなどを挙げ、Y!mobileが、スマートフォンやタブレットなどのモバイルアクセス環境を提供することで、「インターネットの生み出す楽しさ、便利さをみんなの手元に届けたい」というY!mobileのコンセプトを紹介した。

家庭の86%にはインターネット接続環境が備わっているが、ユーザーの手元でインターネットに接続できるデバイスはまだまだ普及しきれていない。この問題を解決していくのがY!mobileのコンセプトだ

 インターネット接続環境の提供を重視するY!mobileを宮坂氏は「インターネットキャリア」と表現する。インターネットキャリアと従来の通信キャリアの違いは、通信キャリアが、音声通信が主でネットサービスが従であるのに対して、インターネットキャリアはネットサービスが主になると宮坂氏は説明した。また、料金体系や仕組みをシンプルにして、あらゆるユーザーが分かりやすくて選びやすくするとしているが、こちらについては、サービス開始前に発表するとしたのみで、具体的な料金プランは一切明らかにしなかった。

従来の通信キャリアとは異なる「インターネットキャリア」を掲げるY!mobileは、ネットサービスを重視するほか、シンプルな料金体系も訴求するが、その具体的な内容は一切明らかにしていない

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