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» 2014年07月07日 14時28分 UPDATE

小寺信良「ケータイの力学」:タブレットを使った学習サービスの中身(1)

タブレットを使った小中学生向けのデジタル教材が、各社から登場している。その1つ、ベネッセの「チャレンジタッチ」を実際に契約してみた。

[小寺信良,ITmedia]

 2020年までに、すべての小中学校全児童生徒にデジタル教科書を配布するということは政府の方針だと認識しているのだが、教科書会社の方にうかがうと、デジタル教科書へ向けた検定の動きはまだないという。デジタル教科書教材協議会(DiTT)では2015年の前面導入を目標としてきたが、すでにもうタイムリミットは過ぎたと言っていいだろう。

 その一方で、教科書ではなく教材としてタブレットを導入する動きは、自治体や学校単位で着々と進んでいる。さらに通信教育の世界では、今年度から各社一斉にタブレットを使った学習サービスに乗りだしている。

 ただ、仕掛けは各社いろいろ違いがある。教育事業に参入したことで話題となったDeNAの「アプリゼミ」は、NHKエデュケーショナルと教材を共同開発、iOSとAndroidアプリとして提供している。現在はまだ小学1年生向けのものしかないが、来年度以降は順次対象学年を拡大していくという。これは端末を限定しない、アプリ提供型だと言える。

 ATOKなどの開発で知られるジャストシステムの「スマイルゼミ」は、専用タブレット(Android)を使った通信教育。これは専用端末提供型だ。

 通信教育の大手、ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ」では、専用タブレット(Android)を使った「チャレンジタッチ」をスタートさせた。タブレット学習のみでもいいし、紙とタブレットの併用もできる。また来春には専用端末だけでなく、iPadでも利用できるよう開発を進めるという。これは今のところ専用端末型だが、将来的にはアプリ提供型の2タイプを展開するということだろう。

 学研エデュケーショナルの「学研iコース」は、学習塾として全国展開している学研教室に専用タブレットを導入、塾と家庭学習の両方で使用する、先生、紙、専用端末の併用型だ。

 小学館の「テレビドラゼミ」は、授業の動画を配信し、それを元に紙で学習するというスタイル。動画が視聴できる端末があればなんでもよく、パソコンやAndroid、iPadなど幅広く対応している。

ガッシリとした作りのタブレット

 とまあ自分で可能な限り調べてみたが、やはりどういう仕組みで子供の学習をどのように支援してくれるのかは、実際に使ってみなければ分からない。そこで自分の子供用として、ベネッセコーポレーションの「チャレンジタッチ」を実際に契約してみた。

 契約したのは5月上旬で、およそ2カ月ほど経過している。受講料は毎月払いだと5,632円(税込)。ピアノや水泳といった習い事の月謝と比べても、安い方だろう。タブレット代は、半年以上受講すると無料である。

 送られてくるタブレットは国産品で、液晶サイズは9.7型で解像度は1024×768ピクセル、内蔵メモリー16Gバイト。重量は750グラムあり、いまどきの10型タブレットとしては結構重い部類に入る。外装は樹脂製で、厚みはかなりある。

photophoto かなり頑丈な作りの専用タブレット(写真=左)。専用ケースも付属し、自立できる(写真=右)

 タブレットの破損などに対応するサポートサービスもあり、年間1700円(税込)を支払うと、破損時には3,000円(税別)で交換してくれる。サポートなしだと1万3300円(税別)で再購入となる。作りとしてはかなり頑丈だが、低学年のうちはサポートに入っておいた方が無難だろう。

 充電は専用ACアダプタが付属するが、miniUSBポートからも充電できる。SDカードスロットもあるが、これはタブレット本体で撮影した写真などを保存するためのものだ。

photo 端子は左側に集中

 OSはAndroid4.2.2だが、いわゆる標準的なホーム画面はなく、オリジナルのホーム画面が表示される。ここから学習コーナーなどへ移行するわけだが、ホーム画面が終了したのち、別アプリが起動しているようだ。

 またWebブラウザは搭載しておらず、自分でアプリのインストールもできないので、普通のAndroid端末としての利用はできない。完全に学習専用機である。

 毎月25日には、教材がアップデートされる。教材のアップデートの他に、学習状況が逐一サーバへ送信されているので、Wi-Fi環境は必須だ。Wi-FiはIEEE 802.11b/g/nに対応している。

 背面カメラは契約当初は機能していなかったが、6月25日のアップデートで使えるようになった。最初からあれもこれもできるより、学習を進めたご褒美として、いろいろできることが増えていく、という作りになっているようだ。

 次回は、学習システム全体についてお伝えしたい。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


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