Lenovoは、スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2015で、有効約1600万画素のカメラを搭載するハイエンドスマートフォン「VIBE Shot」と、ミッドレンジながらDolby Atmosに対応したAndroidスマートフォン「A7000」を発表した。ほかに、同じくDolby Atmosを搭載する「Lenovo TAB 2 A10-70」など、タブレット3機種も発表。Lenovoブースでは、これらの実機に加え、YOGAシリーズなど同社の最新モデルや、傘下のモトローラの製品も展示されていた。
最も来場者の注目を集めていたのは、スマートフォンとデジカメの“2-in-1”をうたう「VIBE Shot」だ。5型のフルHDディスプレイを搭載し、1600万画素カメラを搭載する背面も、背面ではなく正面に見えるスタイリッシュなデザインが施されている。画面比16:9をフルサイズで撮れる画像センサーを搭載し、レンズは6つのモジュールで構成されている。
側面には、物理的なシャッターキーを搭載。「Smart/Pro」の切り替えスイッチがあり、「Smart」モードにすると、ユーザーが設定することなく、フルオートで撮影できる。「Pro」モードにすると、露出、ISO感度、ホワイトバランスなどを任意で設定して撮影可能。3色のLEDで構成される「トリカラーフラッシュ」を備え、撮影シーンに応じて最適な色・明るさで撮れることもセールスポイントとしている。
展示されていたものは、まだ開発途中のモデルで、本来の撮影画質を確認することはできなかったが、起動が速く、シャッターキーの反応も良かった。Proモードでは、背景をぼかすような写真も撮れるとの説明を受けた。OSはAndroid 5.0で、CPUは64ビット・オクタコアのSnapdrogonを採用。6月から発売予定で、米国での販売価格は349ドル(約4万1789円)としている。
同時に発表された「A7000」は、スマートフォンでは世界で初めてDolby Atmosを搭載するモデル。ヘッドフォン使用時は、音楽や映画の音声などを臨場感あふれるステレオサウンドで楽しめることがセールスポイント。5.5型の大画面を搭載しているが、解像度はHD(720×1280ピクセル)。OSはAndroid 5.0で、Media Tek製のオクタコアプロセッサを採用している。カメラは8メガピクセルだ。3月発売で、価格は169ドル(約2万236円)。ハードウェア仕様はミッドレンジだが、映画などのコンテンツを楽しむには十分な機能を備え、コストパフォーマンスを最重視したモデルという印象を受けた。
2014年、LenovoはGoogleからMotorola Mobilityを買収した。このため、Motorolaブランドのスマートフォンも展示されていた。フラッグシップに位置付けらる「Moto X」は、購入者がオンラインでカスタマイズを注文できる端末。背面パネルに本物の木やレザーなどを用いた端末が展示され、オンラインでの注文をシミュレーションすることもできた。
タブレットは新たに3機種が発表された。いずれも、スペックや機能のわりには、お手ごろな価格設定で、費用対効果が高いモデルといえる。
「TAB 2 A10-70」は、10.1型のフルHDディスプレイを搭載するAndroidタブレット。4月からの発売で、出荷時はAndroid 4.4だが、Android 5.0へのアップデートも予定していると説明された。CPUはMedia Tek製のクアッドコアプロセッサを採用。Dolby Atomsを搭載し、全方位から音が聞こえるような臨場感で映画などを楽しめることが売りだ。背面には「サウンドバー」というデュアルスピーカーを搭載している。Wi-Fiモデルは199ドル(約2万3806円)、LTE対応モデルは279ドル(約3万3376円)という設定で、低価格と高性能を両立させたことをアピールする。
「TAB 2 A8」は、「TAB 2 A10-70」と同等の性能を有する8型モデルで、Dolby Atomsに対応する。ディスプレイの解像度はHD(720×1280ピクセル)。6月の発売で、こちらは当初からAndroid 5.0を搭載する。パールホワイト、エボニー、ミッドナイトブルー、ネオンピンクの4色が用意される。Wi-Fiモデルは129ドル(約1万5432円)、LTE対応モデルは179ドル(約2万1413円)と予告している。
「ideapad MIIX 300」は、Windows 8.1を搭載する8型タブレット。プロセッサはIntel Atom、メインメモリは最大2Gバイトで、ストレージは最大64Gバイト。ワイドXGA(1280×800ピクセル)のIPSディスプレイを搭載する。7月の発売で、価格は149ドル(約1万7809円)〜としている。Microsoft Officeアプリケーションを1年間利用できることもセールスポイントだ。Wi-Fiモデルのみで、LTE対応モデルの発売は予定されていない。エントリー向けのWindowsタブレットと捉えていいだろう。
持ち運べるコンパクトなモバイルプロジェクター「Lenovo Pocket Projector」も発表した。投写レンズ部と操作パネル部が連結し、レンズ部の角度を変えられるので、スタンドなどを用意することなく利用できる。スマートフォンからはDLNAまたはMiracastを利用して、ワイヤレスでデータを送信できる。microSDを挿して利用することも可能だ。最大110型相当のスクリーンに投影でき、明るさは50ルーメン。フル充電で最大2.5時間投写できるとのことなので、ビジネスの場でのプレゼンテーションなどにも活用できるという。3月発売で、価格は199ドル(約2万3806円)としている。
今回発表されたモデルは、いずれもグローバル市場向けモデルだが、日本での発売は未定だ。
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