総務省は11月11日、第6回電気通信番号委員会を開催し、電気通信番号規則等の一部改正に関する省令等案を承認しました。これは、携帯電話サービスの急速な需要拡大による、携帯電話番号の枯渇に向けた対策として、従来の090/080/070番号に加え、新たに「020」から始まる携帯電話番号を新設するというものです。
この020番号については、主にM2M(Machine to Machine)と呼ばれる、人が介在せず機器間でネットワークを介して通信を行うシステムを対象に使用されます。
M2M専用 | M2M以外 | MVNOユーザ向け | |
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パケットのみ | 020 (例)スマートメーター、自動販売機 |
020 (例)SIM単体、WiFiルータ |
020 (例)SIM単体 |
パケット+SMS | 020 (例)スマートメーター、自動販売機 |
070/080/090 (例)SIM単体、WiFiルータ、タブレット |
070/080/090 (例)SIM単体、WiFiルータ、タブレット |
パケット+ SMS+音声 |
070/080/090(020※) (例)カーテレマティクス、音声通信が特定の相手方に限定される一部のカーテレマティクス※ |
070/080/090 (例)SIM単体、スマートフォン |
070/080/090 (例)SIM単体、スマートフォン |
(出典:総務省資料「020番号の対象となるサービスの状況」) |
機器間で情報を収集したり、機器を作動させたりするスマートメーターや自動販売機といった機器用に加え、MNOおよびMVNOユーザー向けにパケット通信のみを行うSIM単体やWiFiルータ用として、020番号が付与されます。加えて、スマートフォンで家電や車載機器などを起動するといったサービスでの使用も想定されています。
そのため、パケット+SMS+音声通話といった携帯電話サービスについては、基本的にこれまで通り070番号を中心とした従来の番号が付与されるとのこと。
総務省の調査によると、携帯電話およびPHSの契約数は、2015年3月末の1億5,786万件から2016年3月末では前年比262万件増の1億6,048万件に達しており、2016年3月末の時点で残っている携帯電話番号は、070番号の3,740万番号のみです。
こうした状況を背景に、020番号については、今後あらゆる「モノ」がインターネットに接続されるIoT(Internet of Things)の拡大も見込んだ議論を進めています。関連する省令については、2017年1月に施行される模様です。
(文:SIM通編集部)
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