もし「Galaxy Note7」が発売されていたら……山根康宏が選ぶ2016年のスマホベスト5スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2016(1/2 ページ)

» 2016年12月30日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 その年のナンバーワンスマホを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー」。2016年は9人の審査員とITmedia Mobile編集部が一堂に会して審査会を実施したが、審査員の山根康宏氏とはスケジュールが合わなかったため、別途お話を聞いた。

 スマートフォン・オブ・ザ・イヤーでは、審査員が選んだ5機種の中から、トップ10を決め、その中からナンバーワンを決定する。

 山根氏がノミネート機種として選んだのは「ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)」「iPhone 7 Plus」「Xperia XZ」「Galaxy S7 edge」「HUAWEI P9」の5機種。これらを選択した根拠は?

メーカーの本気を感じた「ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)」

山根康宏 山根康宏氏

山根氏 「ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)はスペックで選びました。ZenFone 3 Deluxeは、SIMフリーメーカーが本気を出してきたなと感じさせるモデルですし、格安スマホと言われていたイメージを払拭できたのではないでしょうか。キャリアと2年契約して安く買おうじゃなくて、いいものは高くても買いましょうということです。

 iPhone 7はもうちょっと何かしてほしかったですが、7 Plusではカメラを大きく進化させました。(カメラが出っ張っている)背面のデザインは好きじゃないですけど、それを押し切ってカメラ体験を上げたのは、今までのAppleの価値観を売るというところから、機能やテクノロジーに一歩踏み出したなと。

 Xperia XZは、『Xperiaは死んでいないこと』を世界中にアピールできたモデルですね」

Galaxy Note7を超えるスマートフォンはない

山根氏 「Galaxy S7 edgeは、世界のトップメーカーがきっちりと進化させたモデルです。外部メモリも使えますし、本体カラーもS6 edgeはアバンギャルドで実験的だったけれど、S7 edgeは誰でも買いやすくなりました。画面サイズはS6 edgeから大きくなりましたけど、S7 edgeの方がエッジディスプレイにした意味があったと思います」

 2016年のGalaxyといえば、下半期に「Galaxy Note7」が登場する予定だったが、バッテリーの発火問題で発売中止に。山根氏も香港でNote7を購入したが、泣く泣く返品。もしNote7が日本で発売されていたら、これが2016年の私的ベストスマホになったという。

山根康宏 幻の名機となってしまった「Galaxy Note7」

山根氏 「Galaxy Note7は、ニューヨークの発表会で触って、実際に購入して『今これを超えるスマートフォンはない』と感じました。

 香港版を2カ月ほど使いましたが、カメラ、さくさく感、サイズ感、ホールド感が良くて、ペン機能と防水にも対応、さらに香港版はDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)にも対応していて、隙はどこにある? と言いたくなるほど完成度が高い。Note7が(返品のため)なくなってしまって、とても困っています。

 発火の原因は、バッテリーの設計にあったのではないかと思っています。「急いで開発したから」とかいろいろ言われていますけど、手を抜いたわけではないにしても、イケイケで伸びてきて、一瞬止まる時間が必要だったのかなと。

 Galaxy S7 edgeを発売して、完全にiPhoneを抜いたというSamsungの自負があったのでしょう。そうしたSamsungの勢いが裏目に出てしまったのではないかと思います」

P9がすごいのは、ライカがHuaweiを認めたこと

 少し話がそれてしまったが、今回山根氏がノミネートした中で、特に評価しているのが「HUAWEI P9」だ。ライカと共同開発した2つのカメラを搭載し、カメラ機能を大きく向上させた。

山根康宏 ライカ品質のカメラを搭載した「HUAWEI P9」

山根氏 「iPhoneを使いながら、HUAWEI P9をサブで持っている人をよく見かけます。P9がすごいのは、100年以上の歴史を持つ老舗の機械メーカーであるライカが、Huaweiを認めたことです。

 口コミの広がりも良かったですね。カメラにちょっと詳しい人から、うまく情報が降りてきています。『カメラマンがいいと言っていたよ』という具合に。女性目線で言えば、カメラマンというより、『プロのヘアデザイナーが使っているあれだよ』というのに近いかもしれません」

 発売時期の関係で、2016年のノミネート対象外だが、山根氏は12月に発売された「HUAWEI Mate 9」も高く評価している。

山根氏 「Mate 9はヤバイですね。深センで触りましたが、家電量販店では品切れになっていました。Mateシリーズは30代以上をターゲットにした“オトナの道具”です。Mate 9はライカのブランドを背負いながら、質感とカラバリでP9と差別化させて、手帳の代わりに持てます。iPhone 7はカジュアル、Galaxy Note7もツルピカだけど、Mate 9はシックな色合いなので、パッと見で違いが分かります。価格もヤバイ(日本では税別6万800円)。この値段であのスペックと質感は、他にないでしょう」

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