KDDIがソラコムを子会社化することを8月2日に発表した。ソラコムの発行済株式を取得する株式譲渡契約を8月1日に締結した。ソラコムはKDDIの連結子会社になる。
ソラコムは、IoT・M2M機器向けの通信プラットフォーム「SORACOM Air」を提供している。SORACOM AirはNTTドコモとの相互接続をAmazonのクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Sevices)上で実現しているのが特徴。このプラットフォームを開放し、SIMカードを提供することで、誰もが低コストでデータ通信サービスを提供できるようになる。
このAirを筆頭に、通信の暗号化処理をクラウドから行えるサービスや、セキュアなデータ通信を可能にする閉域接続のサービスなども提供しており、企業が導入するIoT・M2M通信をトータルでサポートしている。SORACOMのサービスは、大手企業からスタートアップまで7000以上のパートナーが採用しており、現在は120を超える国や地域で利用できる。
また、ソラコムは920MHz帯を免許不要で利用できる無線通信規格「LPWA(Low Power Wide Area)」の「LoRaWAN」と「Sigfox」も、同社のサービスに対応させている。低速ながら基地局やモジュールのコストが安いことから、新たな通信手段として注目を集めている。KDDIもLPWA(LTE-M、NB-IoT)に取り組んでおり、この点でもソラコムとの連携が期待される。
両社は、KDDIのIoTビジネス基盤とソラコムの通信プラットフォームを連携させることで、IoTプラットフォームの構築を進め、新たなIoTビジネスを創出していくとしている。
なお、現在ソラコムが提供しているサービスは、既存ユーザーも新規ユーザーも継続して利用できる。
ソラコムの玉川憲社長は、公式ブログで本件についてコメントしている。KDDIとはIoT回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」を共同開発したことをきっかけに密な協業を続け、子会社化に至ったという。今回の発表については「Exitというより、むしろ、これまで単独では届かなかった領域に道を拓くEntranceだと考えており、さらなるチャレンジに対して身が引き締まるとともに、これからの冒険にワクワクしています」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.