2017年のモバイル業界を振り返る(4月編):意外と手放せないウェアラブル/シャープの意欲作「AQUOS R」/より安価な基本プランを繰り出したドコモMobile Monthly Top10

» 2017年12月23日 09時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 2017年も多数の話題がモバイル業界をにぎわせました。ここでは、2017年1月〜12月のITmedia Mobile月間アクセスランキングを紹介し、各月で注目を集めたトピックを振り返っていきます。

 今回は4月のランキングをお届けします。

 4月といえば、多くの学校・企業の新年度を迎える月。「1年で一番忙しい」と言われる携帯電話市場の春商戦が少し落ち着く頃合いでもあります。そんな月に一番読まれた記事は、すずまりさんのレビュー記事「私が『Apple Watch Series 2』を手放せない理由」でした。

 都内の繁華街を歩いて観察する限りでは、最近Apple Watchをしている人は増加傾向にあるようです。Apple Watchほどではありませんが、「Android Wear」や各種ウェアラブルデバイスを身につけている人もジワジワと増えている感じです。

 今年(2017年)の「Apple Watch Series 3」では、LTEやW-CDMA(3G)通信に対応するモデルが登場。日本でも「自立通信できるウェアラブル」の芽が出ました。海外に目を向けると、Android WearなどにもLTE/3G対応モデルがあります。

 「ウェアラブル×自立通信」は、ウェアラブルデバイスのさらなる普及につながるのか――2018年は、その答え合わせが始まる年になりそうです。

Apple Watch Series 2 国内モデル限定ながら「FeliCa」に対応したApple Watch Series 2

 4月のランキングでは、シャープのAndroidスマートフォン「AQUOS R」に関する記事が2つ登場していることも注目点です。

 従来のAQUOSスマートフォンのフラグシップは、NTTドコモ向けが「AQUOS ZETA」、au向けが「AQUOS SERIE」、ソフトバンク向けが「AQUOS Xx(ダブルエックス)」と、キャリア別に異なるブランドのもとに展開しており、端末デザインもキャリアごとに若干異なるテイストでした。

 AQUOS Rでは、これらを統一。どのキャリアでも(付属品の違いはあれど)統一したブランドと端末を展開するようになりました。機種個別のカタログやCMも、キャリアを問わず同一のテイストとなりました。

 この戦略はおおむね成功しているようで、後に登場するミドルレンジモデル「AQUOS sense」「AQUOS R compact」でも踏襲。AQUOS R以降のAQUOSスマホはどれも良好なバランス感と使い勝手を実現しています。

 仕向けキャリアごとの“個性”が好きだった人には少しさみしいかもしれませんが……。

AQUOS R 各キャリアでバラバラだったフラッグシップブランドを統一した「AQUOS R」。端末のデザインや基本仕様も統一している

 4月の終わり、NTTドコモが新しい基本プラン(音声プラン)を投入しました。国内通話の(準)定額がない代わりに、月額料金を980円(税別)に抑えた「シンプルプラン」です。このプランの概要をまとめた記事がわずかな日数でランキング5位に入りました。

 当初のシンプルプランは「シェアパック」の契約が必須で、家族利用を重視するドコモの戦略が見え隠れしていました。実際に、「シェアパック+シェアオプション+spモード」で月額1780円(税別)からスマホを使える!」という旨の訴求をしていたことからもそれは明らかです。

 これにauやソフトバンクは追随……と思いきや、両キャリアともに自社の強みをより発揮できる料金プランやデータ定額を打ちだすことになります。大手キャリアが「後追い」ではない料金競争をしていくという当面の軸が、これで決定したともいえます。

 2018年は、各キャリアでどんな「競争」が見られるのか、楽しみです。

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