6月に突入し、ソフトバンクのテザリング無料キャンペーンも終了――「2カ月延長」が功を奏し、auのような炎上を回避石川温のスマホ業界新聞

» 2018年06月08日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週から6月に入った。

 この業界で2018年6月といえば、ソフトバンクのテザリング無料キャンペーンが終了し、月額500円の有料化に踏み切る、というのが注目であった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年6月2日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 auが有料化に切り替える際には、ネットを中心に盛り上がり、大いに炎上したのだった。しかし、ソフトバンクに関しては、いまのところ、そうした動きは見られない。

 もともとソフトバンクは、auと同じタイミングである3月31日で無料キャンペーンを終了させるはずだった。しかし、世間の空気を読むのがうまいのか、テザリング無料キャンペーンの終了に対して、風当たりが強くなり始めると、しれっと2カ月の延長を発表。5月末までにしたのが功を奏した。世間はすっかりテザリング無料キャンペーン終了を忘れてしまったようで、何事もなく、有料化に移行しようとしている(請求締め日によっては、導入タイミングが異なる人もいる)。

 auユーザーのなかには、テザリング無料キャンペーン終了の炎上っぷりから、テザリングオプションの解約をしたという人も多いだろう。その点、ソフトバンクでは炎上騒ぎが起きていないことから、テザリングオプションをそのままにしている人が大半だろう。

 ソフトバンクは実にうまいこと、2カ月延長を仕掛けてきたように思う。このあたりは、auの完敗と言えるだろう。

 auはNetflixと組んで、25GBのプランを作ってきたが、ネット上では「動画を見まくるのに25GBでは足りない」という意見がもっぱらだ。Netflixとauでは25GBで100時間、視聴できるというが、ユーザー感覚からすると「動画だけを見るわけではない。普段使いの感覚からすると足りないような気がする」というのが正直なところだろう。

 せっかく、Netflixと組むのだから「ゼロレーティングなプラン」を作ってほしかったが「グレーゾーン」(高橋誠社長)というのであれば仕方ない。ならば、25GBなんていわず、ソフトバンクのウルトラギガモンスターに対抗する50GBのプランを作ればよかったのではないか。しかも、料金はウルトラギガモンスターと同じ7000円。これにNetflixとビデオパスの視聴料をセットにしたプランであれば、ソフトバンクを脅かすプランになったはずだ。さらに、テザリング料金もバンドルしてくれれば言うことない。

 Netflixからそっぽを向かれたソフトバンクと同じ料金プランで、しかもauなら、Netflixの視聴料がバンドルされているというのであれば、インパクトは絶大であっただけに残念だ。

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