スマートフォンのカメラのレベルは年々上がっていて、「デュアルカメラ+背景ぼかし+ビューティー機能」はとうとう当たり前になった。
そんな昨今、じゃあ次に何をしてくるか。サムスン電子の新スマホ「Galaxy S9+」は、「感じたままを伝えるカメラ」を目指したそうである。
抽象的でよくわからないけれども、そのようなキャッチコピーはさておき、具体的に何がどう変わったのかをチェックしていくのがこの記事の仕事。
アウトカメラのセンサーは、画素数こそ「Galaxy Note8」から据え置きの約1220万画素(12Mピクセル)だけれど、実はセンサーもレンズも新しくなっているのである。
「Galaxy Note8」から引き続き、Galaxy S9+もアウトカメラはデュアル。Note8は横に2つ並んでたが、S9+は縦に2つ並べてきた。まあ、これはどっちでも使い勝手に影響はない。
片方は広角のメインカメラでもう片方は望遠カメラ。
望遠カメラのスペックはNote8と同じで、1/3.6型の1220万画素センサーで52mm相当のF2.4レンズを搭載している。光学式手ブレ補正に対応しているのも同様だ。
広角カメラもスペックはNote8と同じで、1/2.55型の1220万画素センサーに光学手ブレ補正機能を備えて……と思いきや、先にチラッと言った通り、センサーもレンズも一新されている。
広角カメラの新センサーは「スーパースピードデュアルピクセルセンサー」という。名前がややこしいけれど、従来のオートフォーカス(AF)が高速になる「デュアルピクセルセンサー」の中にメモリを搭載して画像の「高速読み出しが可能になった」のだ。
高速読み出しを生かした機能の1つが、「スーパースローモーション」。スローモーション機能自体は珍しくなくなったけれど、秒間960コマという動きの細かさと、シンプルな使い勝手が良いのだ。これ、面白い機能なので後で紹介。
レンズに関しては「F1.7」から「F1.5」とさらに明るくなった。それだけではなく、さらに絞りを動かすことで「F2.4」に変えられる「デュアルアパチャー(絞り)機能」も搭載した。
普通、デジタルカメラのレンズには「絞り」機構が組み込まれていて、これでイメージセンサーに当たる光量を調整するのだが、スマホのカメラにはこれがない。言い換えるとスマホカメラは「固定絞り」なのだ。
そういう機構を入れるスペースがないとか(薄く作らなきゃいけないとか)、コストがかかるとかあるけれども、ムリして入れなくても困らないといえば困らないのである(なぜ困らないのかは、カメラの構造の話になるので割愛する)。
「F1.5」「F2.4」の2段階だけとはいえ、それを入れてきたのだ。これが実際の写りにどう影響があるのか、なぜそれが必要だったのか。後で見ることにしよう。
ひとまず、まずは広角と望遠でいつものガスタンクを撮影してみた。
で、いきなりスーパースローモーションで遊んでみよう!
いやこれが面白かったので、普通の撮影機能の前にサッと紹介しちゃう。
スーパースローモーションは「高速度撮影を動画を通常速度で再生することで、超スローモーションを楽しめる」という機能。
これの難しい所は、スローモーションにするタイミングと長さ。
S9+の場合、「動画の中の0.2秒間だけ」スーパースローモーションとなる仕様。これを6秒かけて再生するのだけれど、この6秒というのは「長いなぁ」と飽き感じるかどうかの微妙な時間(たぶんセンサー上のメモリサイズによる制限によると思われる)。
難しいのはその“0.2秒”をどう指定するか。0.2秒なんて一瞬だから、アッと思ったら撮り逃してしまう。
そこでS9+は「肝心なところを自動的にスローにする」という機能を付けた。そこがえらい。
スーパースローモーション撮影時、時は画面に四角い枠が出る。ここがミソ。この枠内で動きが検出されると、そこだけが自動的に0.2秒間だけスーパースローモーションで撮影されるのだ。
彼女が手に持っているオモチャ。引き金を引くと、先端の円盤が回転しながら飛ぶ。それを自動検知してスローモーションになるかどうか。
なったのである(何回か失敗したけど)。13秒(うち6秒がスーパースローモーション)の動画をどうぞ。
引き金を引いた瞬間にスローになったのがわかったかと思う。
もちろん、スローモーションのタイミングを手動で指定することもできる。噴水をスローモーションで撮ってみたのでどうぞ。
スーパースローモーション撮影した動画の解像度は720p(1280×720ピクセル)となる。フルHD(1920×1080ピクセル)じゃないのが残念だけれど、楽しみやすさ重視なら分かる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.