落としてもこぼしても無問題──タフなLet's note R6に注目せよ2007年春 Vista搭載PC特集

» 2007年01月17日 21時28分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 今回発表されたLet's noteは、全シリーズでデュアルコアCPUを搭載し、OSにWinodws Vista Businessを導入しているのが大きな特徴となっている。最も小型のRシリーズは、それ以外にも大幅な変更が加えられている。製品の具体的な説明を行った星野央行氏(松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンター主任技師)も、その解説にほとんどの時間を割いた。

大きく変身したLet's note R6。白色LEDの採用で天板はフラットになり本体部分はやや厚みを増すなど、その外見はR5からちょっと違う雰囲気になった
製品説明会でR6の具体的な解説を行った星野央行氏((松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンター主任技師)

SDメモリーカードスロットは前面左寄りに移された。これはユーザーの「PCカードスロットと2段になっていると使いにくい」という声を反映させたもの。無線LANのオンオフスイッチが正面右寄りに設けられ、電源ボタンが正面からキーボード上の左寄りに移されている
キーボードの刻印も新しくデザインされたUD(ユニバーサルデザイン)フォントに変更され、従来よりも文字サイズが大きくなった

従来、左側面の設けられていた2つのUSB 2.0、モデル、LANが右側面に移されている
左側面にはPCカードスロットにVGA、そしてポートリプリケータの専用コネクタが用意された

 R6の開発では、76センチの高さから落下させる耐衝撃性能試験が行われている。76センチはオフィスにある机から落下させたのに相当する高さで、発表会ではMPEG動画を再生しているLet's note R6をその高さから落下させてもそのまま動画再生を続けているデモが紹介された。この耐衝撃性能を持たせるために、R6では衝撃を吸収するダンパーを新たに開発し、それを使ってHDDを保護することで物理的な衝撃からHDDを守るほか、「液晶パネル抱え込み構造」「基板のひずみを低減するフローティング構造」「環状パイプ構造」といった筐体に強度を持たせる工夫もR6では取り入れられている。

 また、従来は大画面ディスプレイを搭載した「Y」シリーズでのみ対応してきたキーボード面の防水処理がR6でも採用された。Yシリーズで取り入れられた「ウォータースルー構造」とは異なるが、防水シートと継ぎ目のないシーリング構造を取り入れることでコップ一杯程度の水に対してはシステム基板やHDDへの水の侵入を防ぐことができると星野氏は説明している。

製品説明会で行われたR6の落下試験デモ。MPEG動画を再生しながら76センチの高さから落としてもR6はそのまま動画を再生し続けた
こちらはR6のキーボードに「コップ1杯の水」をかけている。落下デモも水かけデモもTOUGHBOOKではおなじみかもしれないが、これがあの小さいR6で行われていることにユーザーは注目してほしい

 R6はデュアルコアCPUのCore Duo 超低電圧版U2400(動作1.06GHz)を搭載した。すでに、マイレッツ倶楽部の「W5」限定モデルでCoreDuoを搭載しているが、「R6」もファンレスであの小さな筐体にデュアルコアCPUの搭載を実現している。筐体のサイズは幅229×奥行き187ミリ、厚さ29.4〜42.5ミリと奥行きと最薄部厚さが5ミリ弱ほど増している。液晶ディスプレイを開いた状態で筐体を見ると厚くなった印象を受けるが、しかし、重さは約930グラムと逆に大幅に減っている。これは、Let's note R1をも超える軽さである。

 製品説明会では、軽量化を可能にした要因として「R5の0.3ミリからR6で0.2ミリとなった薄型液晶ガラスの採用」を1つの例として紹介しているが、それ以外にも標準バッテリーパックのセル数を減らすことでR6は軽量化を実現している。バッテリー容量が従来の7800mA/hから5800mA/hとなってもバッテリー駆動時間は8時間を実現している。これは、液晶ディスプレイのバックライトに白色LEDを採用したりそのほか地道な電力管理を行ったりしたおかげで可能になったと星野氏は説明している。

 なお、今回R4で採用されたキーボードの防水機能は「W5」「T5」で採用が見送られている。この理由について星野氏は「技術的には“T”“W”も実現可能。ただし、筐体のフルモデルチェンジを行うタイミングでその機能は実装したい」と答えている。また、SunDiskなどが発表したHDDドライブサイズのSSD(ソリッドストレージドライブ)の導入については「特殊なユーザーへの個別対応で行う可能性はあるが具体的な話はない。 ただ、やる気になればいつでもできる」と述べている。

製品発表会の冒頭では高木俊幸氏(松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部事業部長)がモバイルPC事業部の方針について紹介した。「(モバイルPCの求められる)相反する技術をいかにして同時に実現していくか。ここが私どもの生き残る道かと考えている」
ゲストとして登場したインテルの阿部剛史氏(マーケティング本部長)は、次世代Centrino“SantaRosa”をアピール。“WiMAX”“801.11n”“Robson”といった新技術を採用することでノートPCの使い勝手のよさを提供していくと述べた

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