製品発表後に発売を延期したり、販売を開始した途端に売り切れが相次いで販売停止になるなど、何かと話題を振りまいている「HP 2133 Mini-Note PC」。以前に取り上げた記事では、上位機でもYouTubeやニコニコ動画などの再生は何とか鑑賞できるレベルにあったが、4年に1度の開催が目前に迫ったオリンピックを楽しむことは可能なのか。上位のハイパフォーマンスモデルで試してみた。
本機でオリンピックの競技を見るためには、まずTVチューナーが必要だ。ドタバタのすえ、何とかダビング10の開始日が決まったので、せっかくなら、ハイビジョンのきれいな画面で競技を観戦したい。そこで必要となるのが、地上デジタル放送を受信できるテレビチューナーユニットだ。ノートPCの本機にはUSB接続の外付けユニットが必須となるが、現時点では5月に発売されたバッファローの「DT-H30/U2」とエスケイネットの「MonsterTV HDUS」しか選択肢がない。動作環境を細かく見ていくと、要求されるCPUがCeleron M 450 2.0GHz同等以上(SP/LP画質時)と比較的低スペックになっているDT-H30/U2が(MonsterTV HDUSはCore 2 E4300/T7100以上)、本機で動作する可能性が高い。しかも、幸いなことにチューナーユニットが動くかどうかを確認できるテストプログラム「ストリームテスト fot 地デジ」が用意されている。
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はやる心を抑え、早速プログラムをダウンロードしてHP 2133で実行してみた。とはいえ、上位のハイパフォーマンスモデルでもCPUはVIA C7-M ULV 1.6GHz、下位のスタンダードモデルは同1.2GHzとさらに非力だ。たいして期待をせずにテスト画面を眺めていたのだが、カクカクとしているが思った以上に動くではないか。必要動作環境に達せず、いきなりテストが中断されると考えていただけに、予想以上の健闘だ。これは“ひょっとしたらもしかしたら”いけるのではないか、と淡い期待が芽生えた矢先、テスト結果の画面が表示された。
結果は惨たんたるもので、「このパソコンでバッファローの地デジチューナをご利用いただけません」との診断がなされた。大半の項目で「×」や「NG」の文字が並んでおり、この結果はさもありなんといったところだ。
そうはいうものの、一度乗りかかった船だ。ダメ元で「DT-H30/U2」を装着してみた。すると、番組視聴/録画ソフトウェア「PCastTV for 地デジ」の設定ウィザードではチャンネルスキャン時のテレビ画面が表示され、一度しぼみかけた期待に光が差す。さらにPCastTV for 地デジを起動すると、鮮明な(そしてガクガクな)テレビ画面が現れるではないか。まるで、映画「十戒」で紅海が真っ二つに割れたシーンを思い起こす感動に包まれるが、その喜びも十数秒後にエラーダイアログが表示されてPCastTV for 地デジが強制終了することで幕を閉じる。そう、VIAのグラフィックスドライバは著作権保護のCOPPに対応しておらず、液晶ディスプレイへの表示が許されないからだ。もちろん、先ほどのテスト結果をよく見ると、その旨がきちんと書かれていた。
きわめて予想されていた事態だが、やはりHP 2133で地上デジタル放送を楽しめなかった。しかし、地上デジタル放送にはまだ「1セグメント」が残されている。次のページでは、HP 2133でワンセグ放送をどこまで満喫できるのかを見ていこう。
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