ニュース
» 2010年07月29日 00時00分 UPDATE

プリンタにもクラウドを:これからは“ネットプリンタ”で攻める――「HP Photosmart Wireless B110a」発表会

日本HPは、PCレスでのネット接続・印刷が可能なプリンタ「HP Photosmart Wireless B110a」を8月5日に発売する。発表会では事業戦略や新製品の特徴が語られた。

[ITmedia]

クラウド時代の新しいプリンタを標ぼうする「B110a」

tm_1007_b110a_01.jpg 「HP Photosmart Wireless B110a」

 日本ヒューレット・パッカードは7月28日、PCレスでインターネットに接続してさまざまなコンテンツの印刷が行えるA4インクジェット複合機「HP Photosmart Wireless B110a」を発表した。8月5日に発売する予定だ。同社直販「HP Directplus」での販売価格は1万2810円。

 製品発表会では最初に代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏が登壇し、同社の歴史を振り返ったうえで、「ポートフォリオの変更と拡充はすべてユーザーの視点に立ってかじ取りをしており、“Everything as a Service”(あらゆる取り組みがサービスとして提供される世界へ向かっている)という考え方のもと、さまざまな分野でイノベーションにチャレンジしている」と述べた。

 新製品のB110aについては「これまでプリンタはPC周辺機器という定義の中で考えられてきたが、新製品は新しいクラウド時代のための進化したプリンタであり、“プリンタの夜明け”といえるもの」と、その先進性をアピールした。

tm_1007_b110a_02.jpg 代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏
tm_1007_b110a_03.jpg HPの歴史。背景の写真は創業時のガレージだ
tm_1007_b110a_04.jpg “Everything as a Service”というキーワードを掲げる

2つの独自機能でネットプリントを実現

 同社執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏は、B110aの製品コンセプトや特徴を説明した。同氏はHPのインクジェットプリンタ事業について「1984年に投入した世界初のインクジェットプリンタであるThinkJetをはじめ、1991年に廉価版のカラープリンタ、1994年にオールインワンの複合機、2003年に無線LAN内蔵プリンタを投入するなど、この分野における技術革新をリードしてきた」と説明し、「2009年にはテストマーケティングとしてWebに接続できるプリンタを米国にて販売したが、今年(2010年)はプリンタそのものがネットデバイスになる“世界初の次世代ネットプリンタ”を発売する」と続けた。

tm_1007_b110a_05.jpg イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏
tm_1007_b110a_06.jpg HPインクジェットプリンタの歴史
tm_1007_b110a_07.jpg HPが発売する次世代ネットプリンタの概要

 ここでいう次世代ネットプリンタとは「プリンタドライバがないスマートフォンなどのデバイスからプリントできるほか、プリンタ自体がネットにつながってプリントできる製品」とのこと。具体的には「メールdeプリント」と「アプリdeプリント」の2つの機能でこれらを実現している。

 メールdeプリントとは、プリンタ1台ごとに固有のメールアドレスを持たせることで、そのアドレスにメールを送信することにより、メール本文(テキスト、HTML、リッチテキスト)や添付ファイル(TXT、PDF、Microsoft Word/Excel/PowerPoint)をダイレクトプリントできるという機能。添付できるファイル数は10個まで、添付ファイルを含めたメールサイズは合計5Mバイトまでとされている。今秋にはJPEG画像の印刷もサポートするという。

 プリンタ自体でメールを受信して印刷まで行えるため、PCはもちろん、スマートフォンやPDAといったプリンタドライバがない携帯機器などからのダイレクトプリントにも対応できるのが特徴だ。挽野氏は「スマートフォンの画面サイズは小さいため、紙に情報を印刷したほうがいいシーンは少なくない。紙は究極のモバイルデバイスなので、あらゆるデバイスから紙へ手軽にプリントできることには大きな意味がある」と力説する。

tm_1007_b110a_08.jpg メールdeプリントでは、プリンタに「xxxxxx@hpeprint.com」という固有のメールアドレスを割り当て、メール送信によってスマートフォンやPDAからのダイレクトプリントを実現する。メール送信者は制限することが可能だ
tm_1007_b110a_09.jpg HPアジア・パシフィック担当のジョン・ソロモン氏がシンガポールのオフィスから、スマートフォンで発表会場のプリンタにメール送信を行うデモ。この直後に、メールの本文が会場のプリンタで無事出力された

 アプリdeプリントとは、プリンタ内蔵の液晶パネルをタッチ操作することで、専用アプリから対応Webサイトにアクセスし、必要な情報をダイレクトプリントできる機能だ。現状では、けい線やカレンダーなどのフォーム、数独パズル、キャラクターの塗り絵が出力できる「ディスニー」、ペーパークラフトなどが楽しめる「ドリームワークス」、登録した地点の天気予報が分かる「Weathernews」といった専用アプリを用意している。

 日本独自の展開としては、ぐるなびとの提携により、レストランを検索して割引クーポンや店舗の地図が印刷できるアプリや、クレオとの提携により、豊富なデザインテンプレートから年賀状や季節のあいさつ状などを印刷可能なアプリを今秋の提供に向けて準備中という。このほか、リクルートなどとの提携により、日本独自のコンテンツを順次拡充していく方針だ。

tm_1007_b110a_10.jpg アプリdeプリントでは、プリンタに登録した専用アプリを通じてインターネット上の対応サイトにアクセスし、さまざまなコンテンツを直接印刷できる
tm_1007_b110a_11.jpg アプリdeプリントのコンテンツパートナー。ぐるなび、クレオ、リクルートといった日本独自の提携企業も見られる

2010年秋以降にはネットプリンタのラインアップを拡充

 挽野氏は「今後リリースする日本HPのインクジェットプリンタ新製品はすべて、メールdeプリントとアプリdeプリントの機能を搭載していく。時代のニーズに合致したクラウド・プリンティングを実現するネットプリンタの認知度拡大を図り、市場を盛り上げていきたい」と、新ジャンルのプリンタにかける意気込みを語った。

 日本HPが今回発表したHP Photosmart Wireless B110aはエントリークラスの複合機だが、2010年秋以降は上位クラスの機種も複数投入する予定だ。

tm_1007_b110a_12.jpg B110aの特徴。4色独立インク、光学解像度1200×2400dpiのCISスキャナ、2.4型ワイド液晶、IEEE802.11b/g/nの無線LANなどを備える
tm_1007_b110a_13.jpg 2010年秋以降は、メールdeプリントとアプリdeプリントの両機能に対応したプリンタのラインアップを拡充する予定だ
tm_1007_b110a_14.jpg 発表会場では、今後正式発表する予定の製品ラインアップも参考展示された。大型液晶やADFを搭載したモデルが見られる

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.