液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイド、画面の表示解像度は1024×600ドットだ。2ポイントのマルチタッチ機能に対応したタッチスクリーンを搭載しており、液晶フレームに収納しているスタイラスペン、または指で画面に直接触れて軽快に操作できる。指2本でのマルチタッチ操作をサポートしており、拡大/縮小や回転、4方向のスクロールといった操作が可能だ。
画面の表面は光沢仕上げで映り込みがやや気になり、タッチセンサーの影響で発色の鮮やかさに欠けるのは惜しい。T91MTでも同様の感想を持ったが、それよりは少しよく思える。視野角は上下方向が少し狭い。
液晶のヒンジ部分は180度開き、さらに180度回転する2軸ヒンジ構造となっている。液晶を上にして折りたたんで、ピュアタブレットスタイルで利用することも可能だ。画面の表示方向は液晶フレームの左下にあるボタンの長押しで切り替えられる。ボタンを長押ししていると画面の表示方向を示すアイコンが表示され、向きが90度単位で順次切り替わっていくので、表示させたい方向になったときにボタンから手を離せばよい。
タッチスクリーンの感度は「PenWrite」というツールで2種類に切り替えられる。「ペンモード」にすると指や手のひらが画面に触れても反応しない(マルチタッチも無効)ので、誤動作を気にせずペンでじっくり入力できて便利だ。「フィンガーモード」では指でもスタイラスでも入力でき、マルチタッチ機能も利用できる。
表示方向切り替えボタンを長押しせずに、押してすぐ離すと、タッチ操作に最適化されたメニュー画面の「Touch Gate」が起動する。Touch Gateは指でも操作しやすいよう大きくデザインされたアイコンでメニューが構成されており、タッチ操作に対応したASUSのオリジナルアプリケーションなどにアクセスできる。アプリケーションとしては、写真整理/アルバム作成ソフトの「フォトファン」、付せんツールの「StikyNot」、メモ付き計算機などを備える。
Windows 7のデスクトップ画面上部に常駐するランチャーソフト「Eee Docking Touch」も指でタッチ操作しやすいよう大きめのデザインとなっており、ここからTouch Gateにアクセスすることも可能だ。もちろん、手書きやソフトウェアキーボードでの入力が行える「Tablet PC入力パネル」や、手書きメモツール「Windows Journal」など、Windows 7 Home Premiumが標準装備しているTablet PC関連ツールも利用できる。
このように、タブレット関連の機能は洗練されており、この点に関しての使い勝手は良好だ。ただし、画面の解像度がT91MTと同じ1024×600ドットにとどまるため、Windows 7の操作ではタスクバーを隠したり、ウインドウの移動を行わないとメニューの端が切れてしまうといった場面も出てくる。最近はNetbookでも1366×768ドットの表示解像度に対応した製品が少なくないだけに、この点はマイナスだろう。
とはいえ、タッチ操作を考えた場合は、画面解像度が低いぶんアイコンなどが大きく表示され、タッチ用のメニューを使わなくとも比較的無理なく指で操作できるというメリットはある。
キーボードは、キートップの間隔が離れたアイソレーションタイプを採用している。主要キーのキーピッチは実測で横17.5×縦16.5ミリだ。カーソルキーが少し細め(実測キーピッチは横13.5×縦16.5ミリ)というくらいで、特に小さくデザインされたキーはなく、キー配列も比較的素直だ。入力時に少したわみ、スイッチの反発が少し強く感じるが、使いづらい印象はない。
2ボタン式のタッチパッドは横66×縦40ミリとNetbookとしては十分なサイズがある。パッドの滑りもよく、使い勝手は良好だ。左右のクリックボタンは一体成形となっており、ストロークがやや浅めだが、操作性は悪くない。
タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバ(V7.2)が導入されており、2本指や3本指によるマルチタッチジェスチャー機能に対応している。2本指での縦横スクロール、つまみズーム、回転、3本指フリックによるページ送りなどの機能が利用可能だ。
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