タブレットデバイスとして、ハードウェアの構成はソツなくまとまっている印象だ。
CPUはデュアルコアで1.0GHz駆動のNVIDIA Tegra 2を装備。ストレージは今回試した32Gバイトモデルのほか、16Gバイトモデルを用意する。32GバイトはWi-Fiモデルのみだが、16Gバイトは3G+Wi-Fiモデルも選べるといった違いがある。
ここでは試しにAndroid端末の総合ベンチマークテスト「Quadrant Professional 1.1.7」と「AnTuTu Benchmark 2.2」を実行してみた。テスト結果は参考までに「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」(Android 3.1)のスコアも併記している。
テスト結果を見ると、グラフィックス関連テストで高めのスコアが散見されるが、これはSony Tablet独自の描画まわりのチューニングによる効果かもしれない。もっとも、総合的なパフォーマンスという点ではほかのAndroid 3.1+Tegra 2タブレットと同レベルの結果だ。テスト結果は5回実行した平均値だが、特にQuadrantはかなり総合スコアやCPUスコアのバラツキが大きいので、参考程度に見てほしい。
ベンチマークテスト終了後にネット動画の再生やシステムに負荷をかけるような使い方を連続して行ったところ、横位置で持っている左手が少し温かくなる程度で、発熱は抑えられていた。
さて、話を基本スペックに戻そう。ストレージの扱いについては注意点がある。ユーザーが直接アクセスできるストレージのフォルダは2つのみで、システム領域やリカバリ領域は不可視だ。アプリがデフォルトでインストールされている「内部ストレージ」フォルダと、主にデータ保存用の「内部ストレージ(USBストレージ)」フォルダがあり、SDメモリーカードにインストール可能なアプリであれば、内部ストレージ(USBストレージ)フォルダにもインストールできる。
Sony Tablet SにはSDHC対応のSDメモリーカードスロットが用意されているが、ここに装着したカード内のデータは、ソニー純正アプリから直接参照できず、独自の「ファイル転送」アプリで内蔵メモリにコピーして使う仕様だ。少々面倒に感じるが、実際はSDメモリーカードを装着するとファイル転送アプリを呼び出すダイアログが表示されるので、慣れればファイルコピーの手間はそれほどでもない。ただし、SDHCメモリーカードなどに大容量のコンテンツを入れておき、各種アプリから直接参照するといった使い方ができない点は注意が必要だ。
Sony Tablet Sでユーザーが直接アクセスできるフォルダの構成 | ||
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パーティション名 | 容量 | 主な用途 |
内部ストレージ | 4096Mバイト | アプリ |
内部ストレージ(USBストレージ) | 9149Mバイト(16Gバイトモデル)、24649Mバイト(32Gバイトモデル) | データ保存用 |
プリインストールOSは今回試したWi-FiモデルがAndroid 3.1、3G+Wi-FiモデルがAndroid 3.2を採用する。バージョンが違うのは発売時期の違いによるもので、発売が2011年10〜11月と遅い3G+Wi-Fiモデルはバージョンが新しい。Wi-Fiモデルは発売後にAndroid 3.2へのアップデートが可能とのことで、この点は心配しなくていいだろう。
なお、Sony Tabletの開発陣にAndroid 4.0(開発コード名:Ice Creame Sandwich)以降のアップデートに対応する可能性を直接聞いてみたところ、「できる限り対応する方針だが、その難易度は現時点で不明な点もあり、Android 4.0発表後いつのタイミングでアップデートできるとはいえない」とのことだった。
通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載。3G+Wi-Fiモデルの3G通信にはNTTドコモのFOMA回線を利用し、LTEサービスの「Xi」はサポートしていない。GPS機能を備えるほか、センサー類も一通り装備しており、3軸加速度センサー、ジャイロセンサー、デジタルコンパス、照度センサー、赤外線通信(リモコン用)を網羅している。
ちなみに、アンテナが内蔵されている場所は、横位置の状態で無線LANとBluetoothが画面の左フレーム、GPSがカメラの左上となっている。
本体の側面には、SDHC対応SDメモリーカードスロットやUSB 2.0 Micro-ABコネクタ(ホスト/クライアント対応)、ヘッドフォン出力(マイク入力と共用)を装備。そのほか、ステレオスピーカーとマイクも内蔵する。
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