構成に目を通した森田氏は、まず「ここまでハイスペックを目指すということは、最前線で3〜5年くらい使うことを想定していると思うので、パーツに妥協しないで調整してみます。妥協すればいくらでも下のグレードにできますが、部分的に下げるとバランスが悪くなりますし、やるからにはこだわりますよ」と全体の方向性を決めてくれた。
そして最初に手をつけたのはグラフィックスカードだ。「マルチディスプレイでプレイしないなら、2GPUもいらないかなと思います。1画面のフルHD表示なら、GeForce GTX 580や570でも十分ですからね。RadeonならHD 6970/6950あたりのオーバークロックモデルでかなり快適に遊べると思います。まあ、極限を求めたら話は別ですけど、そこまでこだわる人は自分で黙々と組むでしょう」という。
そこで、GeForce GTX 580カードでも比較的安いZOTAC製の「ZT-50103-10P」をチョイスしてもらった。GDDR5メモリを3Gバイト搭載するモデルで、価格は4万5800円。なお、バリエーションモデルで約5000円安いGDDR5 1.5Gバイト版もあるが、「費用対効果を考えると3Gバイトのほうがお得と思います」という。これでベース構成から2万5000円近いプライダウンとなった。
道筋をシングルGPU構成に絞ったことで、マザーボードのグレードも下げる流れとなった。「SLIを構築しないなら、レーン数の引き上げは不要になるので、シンプルな構成のZ68マザーで十分だと思います。ゲームをやる人はあまりシビアなオーバークロックもしないでしょうから、強化した電源回路なども必要なくて、かなりランクを下げられると思います」とのことで、同じASRockの「Z68 Extreme4 Gen3」に変更。価格は半額近く下がって、1万4980円となる。
こうなると、電源ユニットも定格850ワットではややオーバースペック気味となる。「GeForce GTX 580カード1枚なら、電源は600ワットクラスで十分です。ただし、全パーツの安定性に関わる電源ユニットは品質にはこだわるべきなので、80 PLUS GOLD認証モデルを狙いましょうか。そのクラスで静音性にも優れているということで、ENERMAXの『MODU87+』シリーズがオススメです」という。選んだのは、将来の拡張を考慮して、定格700ワットの「EMG700AWT」だった。価格は1万9800円。
CPUとPCケース、OSはベース構成通りとなった。森田氏は「Core i7-2600Kとの価格差は数千円程度なので、せっかくだからCPUは2700Kのままでいきましょう。PCケースも配線しやすくて、後々の増設が簡単にできるCM690 II Plusはいい選択だと思います。Windows 7も、すごくマニアックな使い方をしない限り、Ultimateである必要はないですからね」と総括する。
ただし、ドライブ回りは大きく変更した。SSDは64Gバイト×2台のRAID 0構成から、128Gバイト1台の通常ドライブとなった。「いまは価格と速度のバランスで120〜128Gバイトクラスの人気が高いです。RAIDを構築しなくていいので、導入しやすいですし、故障のリスクもある程度下がります。また、起動時にRAID BIOSを経由しないで済むといったメリットもありますから」とのことで、同店に比較的在庫が多くあるプレクスターの「PX-128M2P」を選んでもらった。価格は1万8980円。
光学ドライブは、同じパイオニアの「BDR-206BK/WS」にチェンジ。片面2層式のBD-Rに書き込めるバルク扱いのSATAドライブで、価格は1万980円となる。こちらの理由は「ゲーミングマシンなら、BDXLは正直いらないですからね」と、いたってシンプル。
そして最後はメモリだ。安価なDDR3-1600の8Gバイトキットを2つ購入して16Gバイト構成にするつもりだったが、森田氏はクアッドチャンネル対応の4Gバイト×4枚セットを選定してくれた。「クアッドチャンネルセットは4枚同時に使って動作検証したセットなので、X79マザーでなくても選ぶ人は多いです。最初から4枚使うつもりなら、4枚セットを買っておいたほうがいいです」という。とくに相性問題が出やすいメモリだけに、品質にこだわってセンチュリーマイクロの「CAK4GX4-D3U1600/HYN」に決定。価格は1万5480円となる。
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