レビュー
» 2011年12月12日 18時30分 UPDATE

イロモノかホンモノか:“2画面”Androidタブレットの基礎体力は?――「Sony Tablet P」徹底検証(前編) (1/3)

タブレットの新しい利用スタイルを提案する「Sony Tablet P」。2画面折りたたみボディはほかのAndroidタブレットと違う価値をもたらしてくれるのか、各部をチェックしていく。

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

・→孤高のAndoridタブレット:“2画面”タッチパネルの使い勝手は?――「Sony Tablet P」徹底検証(中編)

・→汎用性と独自性のはざまで:“2画面”アプリは実用に足るか?――「Sony Tablet P」徹底検証(後編)

ラインアップが出そろい、サービスも充実してきたSony Tablet

左が9.4型ワイド液晶を搭載した「Sony Tablet S」、右が5.5型ワイド液晶を2面備えた「Sony Tablet P」。Sony Tablet Pは3G+Wi-Fiモデルのみを用意する

 ソニー初のAndroidタブレット「Sony Tablet」には、「S」と「P」の2つのシリーズが用意されている。

 まずは2011年9月17日に9.4型ワイド液晶を搭載した「Sony Tablet S」シリーズのWi-Fiモデルが発売され、約40日後となる10月28日に同シリーズの3G+Wi-Fiモデルと、折りたためるボディに5.5型ワイド液晶を2面並べた「Sony Tablet P」シリーズ(3G+Wi-Fiモデルのみ)の販売が開始された。

 9月の発売当初はソニー独自のコンテンツ配信サービスがサービスインしていない状況も多かったが、10月13日に映像配信の「Video Unlimited」、10月19日にゲーム配信の「PlayStation Store」がオープンし、10月28日の3G+Wi-Fiモデル販売開始と同時に電子書籍サービス「Reader Store」のリニューアルや、Sony Tablet P専用の地図情報アプリ「PetaMap ガイド&ナビ」とSkypeアプリ「ビデオチャット for Sony Tablet - plugged into Skype」の提供も開始するなど、アプリとサービスの環境も整いつつある。

 今回は2画面折りたたみボディのSony Tablet Pを入手したので、Sony Tablet Sとの比較も交えながら各部をチェックしていこう。なお、Sony Tablet SについてはWi-Fiモデルの発売時にレビュー記事を掲載済みなので、併せてご覧いただきたい。

“Sony Tablet”関連記事



携帯性と操作性を両立する2画面折りたたみボディ

1024×480ドット表示の5.5型ワイド液晶を2枚装備

 Androidタブレットは7〜10型程度の液晶を搭載したスレート型の製品が大半だが、Sony Tablet Pは1024×480ドット表示の5.5型ワイド液晶を2枚装備し、2つに折りたためるボディが最大の特徴だ。持ち運ぶときは2つ折りにしてコンパクトに収納でき、利用時は本体を開いて広々と2画面で使えるという、携帯性と操作性の両立を図っている。見た目には、長財布や大きなメガネケースといった印象だ。

 本体サイズは液晶を閉じた状態で180(幅)×79(奥行き)×26(高さ)ミリ、開いた状態で180(幅)×158(奥行き)×14(高さ)ミリ、重量は約372グラムだ。実測での重量は約370グラムと、ほぼ公称値通りだった。

 2つ折りにすれば7型のタブレットより小さいフットプリントになり、厚みは増すものの、小さなバッグやコートのポケットなどにしまいやすい。閉じた状態は「プレイステーション・ポータブル(PSP-3000)」(幅169.4×奥行き71.4×高さ18.6ミリ/約189グラム)より少し大きい程度で、本体を片手でつかんで持ち運べる。重量は最近の7型タブレットと同程度で軽く、携帯は苦にならないだろう。

 中央が膨らんだ曲線的なボディは少しかさばる印象だが、丸みが手になじんで握りやすい。この丸みを生かして、無線WAN/LANモジュールや無線LAN/Bluetoothアンテナなど高さのあるパーツ類を内蔵しており、見栄え以上の意味がある。ボディは、液晶パネル表面にアクリルを採用したり、ボディのフレームをアルミと樹脂のインサート成形にすることで、2画面構成ながら軽量化しつつ、強度を確保したという。

液晶を閉じた状態は、Androidタブレットには見えない個性的な外観(写真=左)。折りたたんだ状態のボディは片手で握って持ち運べる(写真=中央)。その気になれば、ジーンズのバックポケットにだって収まるが、このまま座ったりしないよう注意したいところ(写真=右)

 外装はシンプルにまとまっている。天面にSONYとPlayStation Certifiedプログラムのロゴが小さく入っている一方、液晶ディスプレイ面にはロゴが一切なく、アクリル板が2面並んでいるだけで、製品名も見当たらない。360度見渡しても、ネジ穴や武骨な凹凸などはなく、見た目のノイズを極力省いた美しいデザインだ。

 ヒンジのデザインは独特で、閉じたときも開いたときも少し飛び出した格好になるのが気になるが、この中に100本もの信号線を通し、2画面をできるだけ近くに配置するためのデザインであり、内部構造を知ると、むしろこのサイズに収まったことに驚かされる。

 ヒンジはよく作り込まれており、180度開いた位置で固定されてスレート型タブレットのように使えるほか、細かな角度調整ができ、閉じる寸前でパタンと上下が重なり合って一体感が出る。もちろん、机上に置いて液晶を開いた場合にも安定し、180度近くまで開いても自重で後ろに転倒してしまうことはない。

両端に配置されたヒンジ付近にPlayStation Certifiedプログラムのロゴが入っている(写真=左)。ヒンジの作りや重量バランスはしっかり作り込まれており、微妙なチルト角度でもピタリと止まるほか、自重で後ろに倒れるようなことはない(写真=中央/右)

液晶は180度開いた状態でカチッと止まる。この状態では(画面間のすき間は約9ミリあるが)、スレート型タブレットのように使うことが可能だ(写真=左)。背面に丸みがあるので、手のひらになじみやすい(写真=中央/右)

 ボディカラーは液晶ディスプレイとヒンジの周辺、側面が光沢ブラックで、天面と底面はマット調のシルバーだ。光沢ブラックの面は指紋が付着しやすいが、天面と底面はさらっとした手触りで指紋が付きにくい。

 このシルバーの部分は着脱式のカバーとなっており、天面カバーはスライド式で、底面カバーは背面の細長いボタンを押し込むことで取り外せる。天面のカバーを外すとSIMスロット、底面のカバーを外すとバッテリーが現れる仕組みだ。

 オプションとして、ホワイトとブラックの着せ替えカバー(ソニーストア直販価格5980円)が用意されており、カバーを変えることで、雰囲気が大きく変わる。いずれも樹脂製のカバーなので、金属ボディのような高級感はないが、個人的にはボディ全体を質感の違う黒でまとめられるブラックがシックで気に入った。ホワイトのカバーは、光沢ブラックとのツートーンがポップで楽しい。

底面のカバーは背面にある細長いボタンを押し込むことで取り外せる(写真=左)。天面と底面のカバーを取り外した状態(写真=中央)。オプションで用意されるブラックのカバーを装着した状態(写真=右)。標準のシルバーとは印象がガラリと変わる

パッケージもきちんとデザインされている(写真=左)。オプションの本革製のキャリングケース(直販価格9980円)は、ベルクロで着脱する仕組み(写真=中央/右)。重量は約105グラムだ。そのほか、約65グラムと軽量なポリエステル製のキャリングポーチ(直販価格3980円)も用意されている

 なお、以下の記事でSony Tablet Pの分解および開発者インタビュー、ほかのタブレットや携帯ゲーム機とのサイズ比較を行っているので、併せて参照していただきたい。

iconicon

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.