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» 2012年08月15日 13時00分 UPDATE

フルHD超えで“Retina”を追撃:あらゆるシーンに対応する万能マシンか?――至高のAndroidタブレット「ASUS Pad TF700T」を味わう (3/3)

[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリーはキーボードドック付きで半日程度

photo バッテリーテスト中のバッテリー残量の推移。キーボードドック接続時には、本体のバッテリー残量が70%程度になると、キーボードドックからの充電を開始する

 バッテリー動作時間の公称値は、動画再生時(720p、MPEG-4 AVC/H.264)において、タブレット単体で約9.5時間、キーボードドック接続時で約14時間としている。参考として、電源モードを「バランス」、液晶ディスプレイの輝度を50%(Super IPS+ modeはオフ)にし、解像度1920×1080ドットの動画(MPEG-4 AVC/H.264 Baseline Profile、6Mbps)を連続再生したところ、タブレット単体では約7時間20分、キーボードドック接続時では約12時間30分で電源が切れた。それぞれ公称値よりは短いものの、動画の連続再生という負荷が高いテストであることを考慮すれば、満足できる結果だ。

 なお、動画再生中に、本体背面の表面温度を計測したところ(室温27.9度)、全体的に31〜32度の間で、熱さを感じる部分はなかった。

 キーボードドック接続時には、本体のバッテリー残量が70%程度になると、キーボードドックからの充電を開始する(約90%になると充電は止まる)。キーボードドックを接続すれば、1日くらいはバッテリーの心配をすることはなさそうだ。必要ならば、ホーム画面から電源プランを変え、消費電力を抑えるという方法もある。

 付属のACアダプタはTF201やTF300Tなどと共通のもので、アダプタ本体のみのサイズは40(幅)×53(奥行き)×28(高さ)ミリで、重量85グラムだ(いずれも実測値)。プラグ部分を折りたためないところは惜しいが、長時間のバッテリー駆動を実現しているので、ACアダプタを持ち出すことはあまりなさそうだ。

photophoto ホーム画面右下をタッチすると出てくるウィンドウで、電源プランを変更できる。電源プランはパワー優先の「ノーマル」、バッテリー優先の「省電力」、両者の間である「バランス」の3種類だ(写真=左)。充電は付属のACアダプタで行う。キーボードドックと接続した状態で充電したところ、本体とキーボードドックの両方が満充電になるまで、実測で約5時間となった。充電中はACアダプタの温度がかなり上昇するので注意が必要だ。ACアダプタの表面温度を測ったところ約50度だった。ACアダプタはケーブルがUSBになっており、PCのUSBに接続できる。その際は充電はできず、データ転送のみとなる(写真=右)

性能は最高級、操作も快適

 評価機は、CPUにクアッドコアのTegra 3(1.7GHz)、メインメモリが1Gバイト、データストレージに64Gバイトのフラッシュメモリ(eMMC)を採用する。ベンチマークテスト「Quadrant Professional 1.1.7」で計測したスコアは以下のようになった。参考スコアとして、本機と同じくTegra 3(こちらのCPUクロックは、シングルコア時が最大1.4GHz、クアッドコア稼働時は最大1.3GHzとなる)を搭載する東芝の「REGZA Tablet AT830」と、日本エイサーの「ICONIA TAB A700」の結果も併記する。

photo Quadrant Professional 1.1.7の結果

 結果は、CPUクロックが1.7GHz(シングルコア時、クアッドコア稼働時最大1.6GHz)と高いASUS Pad TF700Tが、ほかの2機種を上回った。2Dや3Dの値がREGZA Tablet AT830よりも低いのは、本機が解像度が高く(約1.44倍)、負荷が大きいことが原因だろう。CPUの性能が勝っているのは、解像度が本機と同じICONIA TAB A700のスコアと比べればよく分かる。

 もちろん、実利用におけるスライド操作やWebサイト表示、プリインストールアプリ類の利用ではもたつくことはなく、快適に操作できる。MPEG-4 AVC/H.264のフルHD動画(Baseline Profile)やYouTubeのフルHD動画を再生していてもカクつくことはない。

Androidタブレットでは敵なし、むしろ……

photo Androidタブレットでは最高の性能を持つ「ASUS Pad TF700T」はサイズや重さ、価格の面でUltrabookなどのノートPCと競合するだろう

 ASUS Pad TF700Tは、従来機と比べてディスプレイとCPUを強化したことで、より隙がなく、使い道が広いマシンになった。高精細なディスプレイを生かして動画や電子書籍のビュワーとして使うもよし、高性能なCPUやキーボードドックを使って、ドキュメント作成用のマシンにするもよし。少なくとも現時点では、Androidタブレットの本命と言っても過言ではない。性能が向上した分、TF201と比較するとバッテリー駆動時間は減っているが、それでもキーボードドックとの接続時には半日持つので、実利用に大きな影響はないだろう。

 唯一の弱点は価格だ。ストレージが32Gバイトとなるタブレット単体モデルは5万4800円(税込み、以下同)、ストレージが64Gバイトとなるキーボードドック付属モデルは7万4800円となる。キーボードドックを買えば2万円高くなるということが悩ましいところで、ビジネス用途で使うならば間違いなく必要だが、そうでなければ、キーボードドックを利用するかよく考えたうえで購入する方がいい。

 もちろん、オンラインショップなどの実売価格はもっと安いが、同等の性能を持つ他社のAndroidタブレットと比べても定価は高く(ICONIA TAB A700の価格は4万7800円前後、第3世代iPadの32Gバイトモデルは5万800円)、特にキーボードドック付属モデルの価格は、スペックが低めのUltrabookを購入できるほどだ。

 これほど高価ならば、安価なノートPCやUltrabookを買ったほうがいいのでは、と思うかもしれない。だが、この製品の強みは、利用シーンによってキーボードを着脱できる“器用さ”にある。電車の中で使うならばキーボードはいらないし、会社で使うならばキーボードがいる……といったように、あらゆるシーンで使える万能なタブレットなのだ。ビジネスでもプライベートでも、タブレット形態もノートPC形態でも使い倒したいというヘビーなユーザーならば、必ず満足できる製品だ。

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