―― 長いインタビューになりましたが、聞けば聞くほどネタの宝庫のようなUltrabookで、FMVを変えていくという強い意志がこちらにも伝わってきました。最近は日本メーカーに元気がないという声もよく聞かれますが、UH75/Hの徹底したこだわりは富士通ならではのものも多く、今後のFMVに光明を見いだしたようにも思えます。
小中氏 まさに富士通の技術を結集した日本製の高品位なUltrabookができました。設計は我々の富士通パーソナルビジネス本部、デザインは富士通デザイン、筐体の製造は富士通化成、キーボードの製造は富士通コンポーネントと、開発はもちろん、主要部品の多くを日本で生産していますし、組み立ては島根富士通でキッチリ行っています。
CPUや液晶など海外ベンダーから調達するパーツもありますが、ここまで限りなく端から端まで“MADE IN JAPAN”を誇れるUltrabookは他にないはずです。
今回ここまで薄型化をはじめ、細部まで作り込めたのは、個人的にF-07Cでの経験が大きかったと思います。胸ポケットに入る超小型ボディにケータイとPCを両方入れるという難度の高いチャレンジでしたが、あれをやりきったおかげで、他にないUltrabookを作り上げるベースとなる考えやノウハウが、いろいろと蓄積できました。
F-07Cが自分のターニングポイントになって、開発手法を技術優位からユーセージ、デザイン優位に変えることができ、グループ会社と我々設計の関わりをより密度の高い方向へ進められたおかげで、今のUH75/Hがあると思います。
一般にはUltrabookのカテゴリーに属する製品ですが、個人的には持ち運べるサイズの光学ドライブがないノートPCでは、汎用性の高いHDDの内蔵も含め、現状で最適なものを作ることができたという自負があります。ぜひ多くの方に触れていただきたいですし、ここからさらに進化していく富士通のPCにもご期待ください。
―― ありがとうございました。
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