レビュー
» 2012年12月31日 13時45分 UPDATE

“6色W黒”で文書も写真もOK:5色展開のスリムボディで攻めるA4複合機――キヤノン「PIXUS MG6330」徹底検証 (1/6)

キヤノンの個人向けA4インクジェット複合機で主力となるのが「PIXUS MG6330」だ。インク交換がスマートに行える新しいスリムボディは、驚きの5色展開。その性能と機能に迫る。

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

ラインアップを絞り込んできた2012年のPIXUS

tm_1212mg6330_01.jpg キヤノンの家庭向けプリンタにおいて、2012年の主力モデルとなる「PIXUS MG6330」。写真はパープルのボディカラーだ

 キヤノンが年末年始の商戦に向けて投入したプリンタ「PIXUS」シリーズは、7機種11モデルで構成される。主力となる家庭向けA4複合機の「PIXUS MG」シリーズが4機種8モデル、A4単機能プリンタ「PIXUS iP」シリーズが1機種、プロフォト向けA3ノビ単機能プリンタの「PIXUS PRO」シリーズが2機種という布陣だ。

 2011年までのラインアップと異なるのは、これまでA4複合機のフラッグシップモデルだった「PIXUS MG8000」系が存在しないことだ。2011年の最上位機「PIXUS MG8230」といえば、CCDセンサー搭載のスキャナによるフィルムスキャン機能が特徴だったが、もはや需要が低いと判断したのだろう。2011年の時点で次席に控える「PIXUS MG6230」の性能と機能がPIXUS MG8230に迫っていたため、余計に影が薄くなっていた。

 また、エントリーモデルの「PIXUS MG2000」系も姿を消している。A4複合機ながら実売価格で1万円を切る手ごろな製品だったが、無線LAN、自動両面印刷ユニット、スマートフォンプリントという要素を排除していただけに、訴求力に欠けた感は否めない。

 このようにモデル数は絞り込んだが、ラインアップを整理しただけあって、製品を選びやすくなったのもまた事実だ。PIXUSのA4複合機における2012年モデルは、いずれも自動両面印刷ユニット、無線LAN機能(Wi-Fi対応)、スマートフォン/タブレット連携機能を搭載する。また、後述する大容量インクタンクや自動電源オン、前面給紙機構(1段か2段かには要注意)も全モデルで共通する特色だ。

 機種の選定については、価格やインクセット、インタフェースなどの要素に絞り込めばよいだろう。

薄型化したロースタイルのボディは5色展開

tm_1212mg6330_02.jpg 前面排紙トレイを出した使用時の状態

 今回はPIXUSの家庭向けA4複合機で主力モデルに位置付けられ、新たにフラッグシップも担うこととなったPIXUS MG6330をじっくりチェックしていく。年末のプリンタ商戦でも人気の高い機種だ。

 昨今の家庭向けA4複合機は、部屋のレイアウトや他の生活家電との調和を図るため、カラーリングやデザインに注力した製品が多くなっている。2011年モデルのPIXUS MG6230もブラックとホワイトに加えて、和室にもなじみやすいブロンズモデルを用意していた。いずれも落ち着いた色合いのカラーだ。

 2012年モデルのPIXUS MG6330では、さらにカラーバリエーションを強化してきた。ブラックとホワイトに加えて、パープル、ブルー、グリーンを新たに投入し、計5色から選べるようになったのだ。プリンタのボディカラーでここまでのカラバリは異例であり、キヤノンの力の入れようが伺える。

 とはいえ、3つの新色はボディ全身をその色で塗っているわけではなく、ブラックから各色へグラデーションを描く仕上げとなっており、全体的に落ち着いたトーンだ。ちなみにブロンズの趣は、ブラックに引き継がれた。ブラックは黒一色ではなく、イエローとのグラデーションになっているため、アンバーのように落ち着いた風合いを醸している。一方、ホワイトは全身が白でまとめられており、他の4色とは印象が大きく異なる。

tm_1212mg6330_03.jpgtm_1212mg6330_04.jpgtm_1212mg6330_05.jpg PIXUS MG6330のカラーバリエーション。左からパープル、ブルー、グリーン

tm_1212mg6330_06.jpgtm_1212mg6330_07.jpg 左がブラック、右がホワイトだ。5色とも表面は光沢感があり、質感はなかなかのものだ

 新しいカラーに合わせてボディのデザインも大幅に変更しており、2011年モデルの面影は操作パネルに感じられる程度だ。PIXUS MG6230はちょっと変わったデザインのプリンタという印象だったが、PIXUS MG6330は“何だか分からないが、格好よい機械”といった風体である。

 一見して思うのは「平べったいな」ということ。かつてPIXUSのボディデザインは「SUPER PHOTO BOX」の愛称が付けられていたが、今回は「ロースタイル」という呼び名を前面に押し出している。PIXUS MG6230から本体の高さを約25ミリ削ったうえ、本体上面の四辺を斜めにカットしていることと、前述のグラデーションカラーが相まって、数値以上に薄型化した印象だ。

 非使用時の本体サイズは約466(幅)×369(奥行き)×148(高さ)ミリ、重量は約8.4キロ。設置面積そのものはPIXUS MG6230からさほど変わっていない(幅はマイナス4ミリ、奥行きはプラス2ミリ)が、従来は前面と背面にあった2系統の給紙機構が前面の2段カセットに集約され、当然ながら排紙も前面から行うため、背面を壁に密着させて設置できるようになった。使用時には細長い排紙のペーパーサポートが最大で230ミリほど前方に伸びる。

 また、詳しくは後述するが、前面にインクタンク交換用のカバーが新設されたことで、インク交換時に上部を大きく開口しないでも済み、交換作業で本体の高さが大きく伸びることがなくなった。インク交換時における本体の高さは、PIXUS MG6230が約305ミリあったのに対して、PIXUS MG6330は約182ミリと、約123ミリも低い。これにより、スキャナの原稿カバーを開くとき以外は、高さが大きく伸びることがなく、棚の中など高さがないスペースにも置きやすくなっている。

 競合するエプソンの「EP-805A」ほど画期的なコンパクトボディに変身はしなかったが、このように設計を大幅に見直したことで、旧機種に比べて設置の自由度は確実に改善された。

tm_1212mg6330_08.jpgtm_1212mg6330_09.jpgtm_1212mg6330_10.jpg 左からボディの前面、背面、側面。使用時は前面に排紙トレイが伸びる。PIXUS MG6230に備わっていた後部トレイは省かれた

       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.