2013 CESの開幕前にNVIDIAが行った説明会で、同社 CEOのジェンスン・ファン氏は、Tegra 4の特徴として、世代がContex-A9からCortex-A15ベースに新しくなったことよりも、内蔵するコアが12から75と増えて性能がほぼ2倍となったグラフィックス機能を特に訴求していた。
NVIDIAの展示ブースでも、Tegra 4を搭載するタブレットデバイスのリファレンスサンプルが動作デモを行っていて、4Kクラスの動画コンテンツを大画面液晶ディスプレイに再生できることを示している。
NVIDIAは、グラフィックス性能が向上したTegra 4を搭載するハードウェアを提案する試みとして、自分たちでデバイスを開発する「Project SHIELD」を立ち上げている。説明会ではその具体的な例として、ゲームコントローラに似た形状のAndroidデバイスを示したが、その実機も展示ブースで見ることができた。ただし、展示しているサンプル機はケースに収納しているため、来場者が実際に触れることはできない。
説明会では「HDMIからの出力で4Kコンテンツを再生できる」と述べていたように、背面に搭載するインタフェースとして、Micro HDMIを用意するほか、Micro USB、Micro SDカードスロット、そして、ヘッドセット端子を備えている。マルチタッチに対応する5型液晶ディスプレイを搭載して解像度は1280×720ドットに対応し、バッテリー駆動時間は動画の連続再生で約10時間、3Dを多用するゲームの連続動作で約5時間というスタッフの説明は、説明会におけるファン氏のコメントと一致する。
NVIDIAは、このProject SHIELDサンプルのサイズや重さを明らかにしていないが、展示ブースのサンプル実機を見る限り、身長172センチの男性の手には、やや余りそうな大きさに思える。両手の親指でカーソルキーやボタン、そして、スティックが無理なく操作できるのかといった考察はできないが、少なくとも、片手で本体を持ちながらタッチパネルを内蔵するディスプレイを操作するのは難しそうだ。
このほか、展示ブースではKepler世代のGPUを利用した仮想化技術「GeForce GRID」の実機デモも行っていた。設置したGeForce GRIDで同時に複数のユーザー分のゲームタイトルを起動して、それぞれのフレームレートが30fpsに達する性能を示していたほか、ゲームセンターを模したカウンターで、ユーザーがGeForce GRIDに収録した複数のゲームタイトルからプレイするタイトルを選択して起動して実際にゲームを行う活用例を紹介していた。
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