ガジェット好きにグッと来る「AtermWM3800Rの隠れ機能」セレクト10(前編)“WiMAX Speed Wi-Fi”レビュー(3/3 ページ)

» 2013年03月12日 10時30分 公開
[島田純,ITmedia]
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【4】 公衆無線LANの接続とも連携する「WiFi WAN側連動」が便利!

photo WiMAXが圏外になった(でインターネット接続されていない)場合、自動でWi-Fi接続もオフにする「WiFi WAN側連動」機能

 モバイルWi-Fiルータ利用時にありがちな“?”として、「あれ、Wi-Fi接続はきちんとバリ5なのに通信できないぞ」──がある。

 これは、ルータとスマホはきちんとWi-Fi接続されているが、親回線(本機ではWiMAX)が圏外になってしまった時に発生する。通信しようとしても砂時計が回りっぱなしで待たされ、数十秒後に「接続できません」となることでユーザーが「あ、今は圏外なのね」と分かるアレだ。

 そこでWM3800Rの「WiFi WAN側連動」機能だ。この機能はWiMAX(および設定している公衆無線LANサービス)が圏外になると、ルータのWi-Fiも連動してオフにするもの。WiMAXが圏外になった場所では余計な期待をせずに済み、むだな待ち時間やバッテリー消費をカットできる。

 この機能は公衆無線LAN共有機能と組み合わせるとより快適だ。ユーザーとしては本機で接続しているのがWiMAXなのか公衆無線LANサービスなのかを意識することなく、「圏外でインターネットへの接続がないなら、(基本的にWi-Fi接続も不要なので)それに連動して自動でWi-Fiをオフに。エリア内に戻ったら、自動でオンに」と快適に制御できるようになる。

 まぁ……とても細かい部分だが、圏外はモバイラーにとって特に憤慨するできごとであり、その怒りが倍増されない分、“ま、仕方ないか”ということにできる。こちらも標準設定では無効になっているので、(たまに圏外になることがある)移動時によく使う人は本体の設定より有効にしてほしい。

【5】 「WiFi WAN側連動」は低価格SIMサービス+3Gルータ併用者にもイイ

photo 無線Lエリアに入ったら自動的に無線LAN接続に切り替える「公衆無線LAN自動切り替え」機能。対応公衆無線LANリストから自分で契約しているサービスを選択・登録できるほか、個別に“自宅の無線LAN”を登録して切り替えるようにしてもよい。これにより、WiMAX、公衆無線LAN、自宅無線LANと接続環境を意識せず、接続機器は同じWM3800Rのまま運用できる

 「WiFi WAN側連動」は、WiMAXのエリア補完を目的に低価格(そうでなくてもよいが)な3G/LTEのモバイルルータを併用している人にも便利だ。

 本機の公衆無線LAN共有機能を応用し、3G/LTEルータのWi-Fi接続を登録しておくと、接続するポータブルWi-Fiルータは本機のまま、WiMAXが圏外になったら3G/LTE接続へ自動的に切り替わり、WiMAXがエリア内になれば連動して元に戻るといった運用方法が可能だ。

 一応、これには本機と他のルータを同時に電源を入れておく必要はあるのだが、500〜1000円前後の低価格志向な(100kbps前後の)3G/LTEサービスをメインで使うモバイルデータ通信サービスの補完・サブ用途として使っている人は多いと思う。本機と組み合わせると、“補完”の部分がむだなくより強固になるわけだ。

【6】 公衆無線LAN連動機能で「docomo Wi-Fi」を設定する方法

photo 標準対応の公衆無線LANサービスのほかに「docomo Wi-Fi」も登録できる。

 本機は、公衆無線LANサービスを共有できる「公衆無線LAN連動機能」を前モデルより引き継いで搭載する。自身が加入する公衆無線LANサービス用ID/パスワードを登録することで、公衆無線LANエリアにおいて1つのID/パスワードを複数台のWi-Fi機器で共有できる機能だ。

 WM3800Rは、

  • UQ Wi-Fi
  • Wi2 300
  • BBモバイルポイント
  • HOTSPOT
  • ケーブルTV Wi-Fi
  • WIRELESS GATE

 の公衆無線LANサービスを利用(登録)できる──というのがカタログスペックだ。実はそれ以外に、自宅のWi-Fiアクセスポイントを、さらに対応とするサービス以外の公衆無線サービス──例えばNTTドコモの「docomo Wi-Fi」なども登録できる。

 docomo Wi-Fi(spモード)加入者向けの設定項目は以下の通り。設定はクイック設定Web(Web設定ツール)→公衆無線LAN設定→接続先設定→接続先登録→接続先登録から。標準で用意されている「ホットスポット(HOTSPOT)」の項目を利用し、docomo Wi-Fi用の文字列に変更するだけでOKだ。


docomo Wi-Fi(spモード)設定項目 接続先設定(詳細設定)
接続先名 (任意)docomo Wi-Fi
ネットワーク名(SSID) docomo
暗号化モード WEP
暗号化キー e3f4aad65c
ログインID (各々のユーザーID)-spmode@docomo(IDが12345678の場合の例:12345678-spmode@docomo)
パスワード (各々のパスワード)

 docomo Wi-Fi(spモード)契約者は、この設定により本機利用中にdocomo Wi-Fiエリアに入ったら自動切り替えが可能となる。昨今はWiMAXだけでたいていは大丈夫になってきたとはいえ、郊外、あるいは地下鉄駅や喫茶店、著名スポットの屋内などでかなりいろいろなスポットで安定して使える公衆無線LANも併用できるのはモバイラーとしてかなり心強いものだ。

(続く)

 後編では、より細かい機能の使いこなし術を紹介する予定です。


主な仕様 AtermWM3800R (参考)
AtermWM3600R
(参考)
AtermWM3500R
タイプ ポータブル
WiMAX通信速度 下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbps
WiMAXハイパワー
UL 64QAM
無線LAN 2.4GHz帯IEEE802.11b/g、11nテクノロジー(最大150Mbps)
有線LAN ─(クレードル利用時 100BASE-TX×1)
クレードルのAPモード切り替え
公衆無線LAN切り替え ○(対応サービス拡充)
簡単接続設定 らくらく無線スタート、らくらくQRスタート、WPS らくらく無線スタート、WPS
バッテリー動作時間(連続通信) 約8時間 10時間 8時間
バッテリー動作時間(休止状態での待機) 約250時間 約170時間
バッテリー動作時間(連続待受) 約20時間 約25時間
電源 リチウムイオンバッテリー(3.7ボルト/2000mAh) リチウムポリマバッテリー(3.7ボルト/2500mAh) リチウムイオンバッテリー
WiMAX切断時のWi-Fi自動停止機能(省電力化) ○(初期設定はオフ)
USBモデム機能 ○(Ethernet over USB/Windows XP以降、Mac OS X 10.5以降)
充電方式 Micro USB ACアダプタ、USBポート充電(パナソニックUSBモバイル電源シリーズ対応)
USB給電機能 ○(5ボルト/出力最大1000mA近く)
スマートフォンアプリ
スマホアプリでのリモート起動
ディスプレイ 有機EL ─(LEDアイコン)
サイズ(幅×奥行き×高さ) 89.6×52×12.8ミリ 95×70×12.8ミリ 105×70×14.8ミリ
重量 約80グラム 約110グラム 約120グラム
カラー ホワイト、ブラック、ピンク シルバー、ブラック、ピンク マーズレッド、シルキーホワイト、プラチナブラック
価格(発売時想定実売価格) オープン(1万8000円前後) オープン(1万8000円前後) オープン(2万円前後)
発売 2013年2月7日 (発売済み)2012年2月 (発売済み)2010年12月


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