「脱PCメーカーとして突き進むデル」――前ベライゾンの平手氏が社長就任顧客視点でのソリューションビジネス拡大へ

» 2015年07月24日 22時53分 公開
[山口恵祐ITmedia]

元ベライゾンジャパン社長の平手氏がデルのトップに

 デルは7月24日、2015年8月1日付で現執行役員副社長の平手智行氏が米Dellバイスプレジデント兼デル代表取締役社長に就任することを発表した。また、同日付で現社長の郡信一郎氏は米Dellの日本アジア太平洋地域担当副社長グローバルセールスオペレーションに就任する。

 平手智行氏は1987年に日本アイ・ビー・エムに入社。国内セールス及び製品部門におけるマネージャー職を経て、2002年からは米IBMのシニアマネージャー、バイスプレジデント兼執行役員など要職を25年に渡り歴任してきた。2012年から2015年は米Verizonのエリアバイスプレジデント、ベライゾンジャパンの執行役員社長を経験している。

 同社が開催した記者会見では、郡氏、平手氏が今回の新社長就任について説明した。

郡氏と平手氏 郡信一郎氏(左)と、新社長に就任する平手智行氏(右)

郡氏は活躍の場を日本含むアジア太平洋地域へ

郡 信一郎氏 米Dellの日本アジア太平洋地域担当副社長に就任する郡信一郎氏

 今回の代表取締役社長退任に関して郡氏は「2011年7月から4年と1カ月、代表取締役としてまっとうできたのは、お客様、パートナー様のおかげ。『パソコン会社のデルからソリューションプロバイダーのデルへ』と、社長就任時の抱負として述べたように、総合ITカンパニーを目指すために、組織を変え、社員のマインドを変えるといった成長戦略を推進してきた。これまで以上にお客様とパートナー様の視点でソリューションを提供することを目標にし、結果としてお客様をサポートする領域の拡大、さらに幅広いソリューションを提供できたのではないか」とこれまでを振り返った。

 退任のタイミングについては、「Dellのようなグローバル企業は国籍にかかわらず活躍できる場。私自身、国をまたいで、経営者として力を蓄えていきたいという強い思いがあり、今回のタイミングでその希望がかなった」と回答。当分の勤務地は東京で、今後Dellが拠点を置くシンガポールに移る可能性もあるという。

 後任の平手氏に対しては、「彼の行動力、決断力からなるリーダーシップは、この会社を率いる上で重要な要素。グローバルな視点含め、25年を超える豊かな業界経験とネットワークを持っており、最適な人材だと判断した」と高く評価している。

「日本市場の要望とデルのアビリティをうまく化学反応させたい」

平手智行氏 米Dell バイスプレジデント兼デル株式会社代表取締役社長に就任する平手智行氏

 8月から新社長に就任する平手氏は、7月1日よりデルの副社長に就任し、引き継ぎを行ってきたという。「一時は通信事業に籍を置いていたこともあり、たくさんのお客様にごあいさつする中で『お帰り、待ってたよ』と言っていただることを本当にうれしく思う。今こそ恩返ししたいという気持ちでいっぱいだ」と今の心境を語った。

 また、米Dellの会長であるマイケル・デル氏を引き合いに出し、「彼の『お客様のために我々の技術、製品、ソリューションを役立てたい』という強い思いに共感した」と今後の意気込みを示した。

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