予算1万円で300グラムのモバイルiPad Retinaディスプレイを作ってみた(3/3 ページ)

» 2016年03月25日 06時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]
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自作iPad液晶ディスプレイを使いこなす3つのポイント

 これで一通りの作業は完了です。あとは好みのスタンドに、作ったばかりの液晶ディスプレイを立てかけてみましょう。これまで書いてきたことはあくまで一例です。通販時のトラブルを含めて動作保証などはできませんが、PCの自作を経験したことがあれば、それほど難しいと感じることなく作れるのではないでしょうか。

スタンド 液晶ディスプレイを固定するスタンドも工夫のしどころです
MacBook Pro 液晶ディスプレイ DisplayPortケーブルにMini DisplayPort変換アダプターをつなげてMacBook Pro Retina Mid 2012に接続したところ。液晶ディスプレイ自体が軽いので、縦表示の切り替えも簡単に行えます
4K Windows 10 Windows 10を搭載した自作PCに接続したところ。ほぼB5サイズで収まるコンパクトさが目を引きます

 ポイントとしては、DisplayPortケーブルは太くて固いものが多く、軽い液晶ディスプレイがどうしても引きずられてしまいます。お勧めは、サンワサプライのDisplayPortケーブル「KC-DPシリーズ」です。ケーブルが細くて取り回しがしやすく、長さやカラーも選べるのがうれしいところです。

DisplayPortケーブル DisplayPortケーブルはケーブル径が太い製品が多く、どうしても軽い液晶ディスプレイがひっぱられてしまいます。今回は、細いケーブルとしてサンワサプライの「KC-DP15K」(1.5メートル)を使ってみました

 また、液晶ディスプレイには1.5アンペア近い電流が必要なので、接続するUSBポートを始めとして、USB-ACアダプターやモバイルバッテリーを使う場合は気をつけましょう。先ほど取り上げたAbuseMarkのページでは、5ボルト/1.35アンペアが必要との表記があります。さらに最近ではあまり見かけなくなったMini USBケーブルも、あまりチープなものを使わない方が無難です。液晶ディスプレイがちらついたり、バックライトが点灯しなかったりした場合は、電源回りをまずは確認してみてください。

Mini USBケーブル 電源ボタン 液晶ディスプレイを使うには5ボルトかつ1.5アンペア近い出力が必要になります。液晶ディスプレイの動作が不安定な場合は、電源回りを確認しましょう。ちなみに、コントローラー基板にあるスイッチを押すと電源オフ時に赤、オン時に青くランプが光ります
Ankerのモバイルバッテリー「PowerCore 20100」を接続したところ。小型ながら容量が20100mAhと豊富で、最大4.8アンペアの出力が可能な頼もしい存在です。

 この液晶ディスプレイを本格的に持ち運んで使うのならば、ケースにアクリル板を使うのが必須ですが、室内や近所のカフェに持ち歩く程度ならば木製フレームでも何とか耐えられそうです。

 PCのサブディスプレイとして、iTunesやTwitterクライアントを表示させておくのもいいのですが、お勧めはゲーム用ディスプレイとして活用することです。Valveが提供しているPCゲームプラットフォーム「Steam」では、最近になって続々とシューティングゲームが提供されており、懐かしい気分に浸りながら出先でも楽しめます。また、軽量なので壁掛けディスプレイとしての活用も面白そうですね。

今回かかった費用(全て税込み)

 液晶パネル 4800円

 コントローラー基板 3920円

 液晶ディスプレイケース 597円

 合計9317円


 今回、ケーブルやバッテリーは手持ちのパーツを使ったので、お持ちでない場合はそれなりの出費がかかりますが、1万円以下で手に入る液晶ディスプレイとしては、興味深い1台といえそうです(ただし、パーツの在庫や価格は変動がつきものなので時の運が必要となります)。

 すでにWebでは、数々の実践例が紹介されています。腕に自信がある方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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