Windows 10「Anniversary Update」の新機能で画面にさっと直線を引いてみたITはみ出しコラム

» 2016年08月07日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 Windows 10の公開1周年を記念した無料の大型アップデート「Anniversary Update」が、2016年8月2日(米国時間)にリリースされました。日本時間の8月3日に私のWindows 10ノートPCでもダウンロードできたので、早速アップデートしました。

 Anniversary Updateには複数の新機能が追加されましたが、個人的に楽しみにしていたのは進化した手書き入力機能の「Windows Ink」です。これが使いたくて、タッチ対応ディスプレイのWindows 10搭載ノートPCを購入したと言っても過言ではありません。

 米Microsoftが3月末に開催した年次開発者会議「Build 2016」のデモでは、スケッチパッド機能で画面上にバーチャルな定規を表示し、これを使ってさっと直線を描いているのがすごく印象に残りました。そして、あれをやってみたい〜と思ったわけです。

 ink 1 画面に表示したバーチャルな定規でさっと直線を引けるAnniversary Updateの「Windows Ink」 ※Microsoftのデモ動画より

 Windows Inkは、(私の場合は)アップデートしただけでは使えるようになっておらず、ツールバーを右クリックすると表示されるメニューで「Windows Ink ワークスペース ボタンを表示(W)」にチェックを入れる必要がありました。恐らく、Surfaceシリーズなどタブレットの場合は最初からボタンが表示されると思います。

 これでタスクバーに「ペンのアイコン」が表示されるようになりました。これをクリックするか、ショートカットキーの「Windows」+「W」を押すと、画面右からWindows Inkの「ワークスペース」がにょろっと出てきます。

 ink 2 Windows Inkのワークスペース

 ワークスペースは上から、「付箋」「スケッチパッド」「画面スケッチ」「最近使用したもの」「おすすめ」の順に並んでいます。

 と説明すると、なかなか多機能なツールを想像されたかもしれませんが、ここで残念なお知らせです。

 日本ではまだ付箋がWindows Inkに対応していません! ささっと手書きでメモして画面に貼っておければ便利なのに……。楽しみにしていただけに残念です。

 また、Windows Inkで日時とかを手書きすると、Windows 10の音声対応パーソナルアシスタント「Cortana」がそれを理解してくれるという人工知能っぽい新機能も用意されているのですが、同様に日本では使えません。

 考えてみれば、それを可能にするには手書きの日本語を正確に読み取る必要があるので、非常に難度が高そうです。当面は英語圏外で使えるようにならない気もします。

 ink 3 日本ではおあずけの手書き付箋。ええええ、楽しみだったのに……

 気を取り直して、「スケッチパッド」を開いてみました。名前の通り、手書き入力で自由にスケッチできるツールです。待望の定規は、画面右上に表示されるメニューの左から4番目(消しゴムの隣)にあるアイコンをクリック(タップ)すると現れます。

 ink 4 定規で直線をいっぱい引いてみた

 画面上の定規はもちろんタッチで操作できる仕組みで、1本指で移動し、2本指で回転させます。定規の目盛と目盛の間にある放射状のマークは、コンパスだそうです。定規を基点や中心点に当てると、インジケーターが太くなります。

 「画面スケッチ」も楽しみにしていました。例えば、記事に掲載するスクリーンショットに説明を手書きで追加してそのまま保存できるので、(かなりニッチなニーズですが)記事に貼る画像編集が少し楽になりそうです。しかし、保存のアイコンが「フロッピーディスクの絵」というのは、もう若い人には分からないかも。

 ink 5 スクリーンショットにいろいろ書き込めます

 さて、定規についても1つ悲しいお知らせがあります。

 定規を使って、文字の上にラインマーカーを重ねて引くことはできません。バグだと思います。高校生時代、教科書に定規を使ってきれいにラインマーカーを引いていたクラスメイトにちょっと憧れたものですが、私は当時からずぼらなフリーハンド派だったので、まあいいです。

 ワークスペースに並ぶ残りの「最近使用したもの」と「おすすめ」は、まだ使えないみたいです。いずれもペン入力対応アプリが表示されますが、少なくとも前者に表示されるOneNoteやマップ、フォトなどでは、まだWindows Inkが使えませんでした。後者はWindowsストアの「Windows Inkコレクション」へのリンクになっていて、試しに1つアプリをインストールしてみたのですが、これもまだWindows Inkが使えませんでした。将来的に対応するということみたいです。

 そんなわけで、Windows Inkはまだ実用段階とは言い難いという印象ですが、今後の改良に期待したいです(特にマップのサポート)。


バックナンバー

関連キーワード

Windows | Windows 10 | Anniversary Update | Microsoft


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー