PC USER Pro

Windows Virtual Desktop、Office 2019、そして…… 変化するMicrosoftの戦略:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2018年10月05日 06時00分 公開
前のページへ 1|2       

Microsoft Azureで動くインスタンスの半分以上は「Linux」

 こうしたMicrosoftの昨今の戦略を反映した興味深いニュースはまだある。

 米ZDNetによれば、今や「Azure上で動作するインスタンスの半分以上がLinux」であるという。AzureにおけるLinuxのインスタンスシェアは、3年前に「全体の4分の1」、2017年に「40%」と上昇し続けており、Ignite 2018でのスコット・ガスリー氏による発表ではついに「半分をわずかに上回る水準」まで達した。

 同氏によれば、Linuxのシェアは毎月上昇しているとのこと。毎月Azureの顧客数が上昇していることを鑑みれば、Linuxの利用を目的にAzureを導入する新規ユーザーが増えていると考えていいだろう。

 「AzureといえばWindows」のような先入観があったといえばウソではないが、かつてのAzureはMicrosoftの顧客がクラウドに移行するための「パス(Path)」として機能していた。しかし、今日ではその限りではなく、さまざまなニーズを吸収する形で非Microsoftの顧客も取り込んでいるのだろう。

 実際、昨今は米Amazon.comへの対抗が理由で「AWS(Amazon Web Services)」ではなく、あえてMicrosoftと組む顧客もいるわけで、純粋に技術的な理由だけでなく、政治的な理由でAzureが避難地として機能している側面もあるのかもしれない。

 昨今のMicrosoftには、Windowsを必要とせず、IoTのセキュリティをハードウェア、OS、サービスの3つで守る仕組み「Azure Sphere」のようなセキュリティソリューションもある。「最終的にMicrosoftのサービスが利用されればいい」というのが基本スタンスのようだ。

ロボットにもWindowsを

 一方、Microsoftが9月28日(米国時間)に発表した「ROS for Windows」のように、Windowsをフロントエンドとしてロボット制御OS(Robot Operating System:ROS)の分野に参入していこうとする動きもみられる。

 同社は米ロボティクス関連団体の「ROS Industrial Consortium」に加盟した他、ROS開発者向けイベント「ROSCon 2018」では、「ROBOTIS Turtlebot 3」のロボットを使ったデモも披露した。

 このロボットは、Intelのプロセッサ(Coffee Lakeベース)を搭載したNUC上でWindows 10 IoT Enterpriseを動かし、「Windows ML」を組み合わせて機械学習によるロボットの自律動作を実現している。

 こうしたロボットは「Azure IoT Hub」によって制御が可能で、「よりリッチな制御環境や開発環境にはWindowsを活用してほしい」というアピールなのだろう。

ROS ROSへの進出を狙うMicrosoft
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月05日 更新
  1. 月額無料のAI通訳イヤフォン「W4 Plus」を試す 翻訳精度をオンラインとオフラインで比較した (2026年11月03日)
  2. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  3. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  4. そのときのアキバはどんな姿に?――MSIが2027年9月までのキャンペーンを実施 (2026年11月02日)
  5. サンワ、超小型筐体を採用した3ポート搭載スイッチングLANハブ (2026年11月02日)
  6. “左手デバイス”にもなる、エレコムのキー&ダイヤル付き8in1ドッキングステーションを試す 便利だが惜しい点も (2026年11月02日)
  7. 米Microsoftはなぜ最大6万人に早期退職を打診するのか? 決算資料から読み解く巨額AI投資の“台所事情” (2026年11月02日)
  8. “コーヒー香る”PC&スマホスタンドがMOFTから登場 新「Coffee Collection」2製品の実用性をチェックした (2026年11月04日)
  9. Googleが最先端モデル「Gemini 4 Carbon」を発表/OpenAIが新モデル「GPT-6.1 Terra」を発表 API料金は従来の半額 (2026年11月01日)
  10. 14年前の“黒歴史”を経て生まれたNVIDIA「RTX Spark」は何を変える? 「AI PC」から「Agentic PC」へと昇華するローカルAIの道筋 (2026年10月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー