写真関連のワークフローが急速に整備された背景には、iPad Proをフォトグラファーが好んで使うようになったことがあるのだろう。iPadが登場した当時、まさかプロフェッショナルの写真ワークフローがパソコンよりもパワフルになるとは誰も想像しなかったのではないだろうか。
しかし、今回のようにキーボードの使いやすさがさらに向上し、またオフィスワーク用のアプリなども含めて快適性が増してくれば、同じような現象……すなわち、iPad Proで仕事をこなすための多様なアプリが登場してくるに違いない。
かつてはタブレットとパソコンを比較することはナンセンスだった。現在もデスクトップPCや、机の上で使うことが多いハイパワーのノートPCならば、その論は正しいかもしれない。しかし、こと持ち運びを意識したパーソナルコンピュータという範囲であれば、その関係性は逆転したといえるだろう。
試用してまだ1日半、12.9型ディスプレイでのARアプリは、iPhoneとは全く異なるレベルの体験がある。高性能なパソコン、最新鋭のパソコンといえど、パソコンから得られる体験は、読者の多くが想像できる一方、確実に仕事をこなせる選択肢ではある。
例えば、Macを含めてパソコンならば、USBポートに接続したUSBメモリやメモリカードリーダー内のファイルを自由に扱える。しかしiOSでは制約があり、ファイルアプリを使ってもメモリカードから簡単にはファイルを読み出せない。外部メモリカードからの読み出しは画像ファイルに限られているからだ。
USB-Cを通じてポートリプリケータを介し、USB DACで音楽を鳴らすこともできたが、同じリプリケータにHDMI経由でテレビを接続すると、音声は全てテレビ側から出力されてiPad Pro側からは選べないといった制約も発見した。こうした制約がUSB-Cを通じた接続でどの程度の範囲で存在するかは、まだ全てを確認できていない。
しかし、そうした制約を考慮した上でも、iPad Proには想像を超えて新しい使い方、快適な利用シナリオが生まれてくる可能性がありそうだ。これからどんな使い方、アプリが生まれるのか。使えば使うほど、まだまだ新しい発見が生まれそうな期待感が新しいiPad Proにはある。
パソコンならではの汎用(はんよう)性と、そこから来る確実な利用体験。iPad Proがもたらすだろう新しい可能性と驚き。あなたはどちらに魅力を感じるだろうか。
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