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iPhone追撃:Google「Nexus One」――その開発動機と成功の可能性

Googleはなぜ、既存のAndroid携帯を脅かすような自社製携帯投入に踏み切ったのか。またキャリアによる販売奨励金なしでの販売モデルは成功するのか。――アナリストが分析する。

 あるアナリストによると、AppleのiPhoneの快進撃がGoogleに「Nexus One」の開発を促したという。Nexus OneはGoogleのAndroid OSを搭載したスマートフォンだ。GoogleはHTCのハードウェアをベースとして、同デバイスのソフトウェアと機能をスクラッチから開発した。

 Google社内でテストが進められているNexus Oneは、2010年初め(早ければ1月)に市場に投入される見込みで、米T-Mobileが同製品をサポートするとみられる。しかしNexus OneはGSM技術をベースとし、ロック解除された状態で提供される。これは、ユーザーが同携帯で任意のキャリアを選べることを意味する。

 Bernstein Researchのアナリスト、ジェフリー・リンジー氏は、「iPhoneの驚異的な成功(2009年の出荷数は1000万台近くに達する見込みで、AppleのApp Store10万本以上のアプリケーションを提供)は、Googleが自らスマートフォン市場に乗り込むことを余儀なくさせた」と調査メモで述べている。

 AppleとAT&Tとの独占契約が、伝えられているように2010年6月に終了するとGoogleは予想しているのだ(ただし契約終了については両社とも確認していない)」とリンジー氏は記している。「これはAppleがVerizonの優れた3Gネットワークも利用し、GoogleとVerizonが推進するDROID構想と直接競合する可能性があるため、Googleはモバイルハードウェア分野に深く足を踏み入れざるを得ない。

 言い換えれば、2010年にはAT&TとVerizonのネットワークで1200万〜2400万台のiPhoneが販売される可能性があるということだ。一方、Androidを搭載したMotorolaのDROIDの2010年の販売台数は800万〜900万台となる見込みだ。これは立派な数字だが、米国の2大ワイヤレスネットワーク上で動作することになるiPhoneとは勝負にならないだろう。

 リンジー氏によると、GoogleはAndroidの2.1ビルドをベースとした“ピュアな”Android携帯を実現したいと考えているようだ。これにより、iPhoneのユーザーエクスペリエンスがAndroidのエコシステムを分断化するのを未然に防ぐのが狙いだ。現在、Android OSには、1.5、1.6、2.0(MotorolaのDROIDに搭載)の3つのバージョンが存在する。

 Android向けアプリの開発者は、約15機種のAndroid携帯ですべてのAndroid OSにアプリを対応させるのに苦労している。Appleは単一の独自OSを提供しており、App Storeに登録されるアプリは厳格に管理されている。iPhoneには分断化という問題は存在しないが、Appleの厳格な規定に適合しないという理由でアプリの登録を却下された開発者は不満を抱いている。

 GoogleはNexus Oneで、分断化の懸念がない完成度の高い製品を目指すようだ。しかし同携帯をロック解除された状態で提供するのは、1つの賭けだ。米国のモバイルキャリア各社は、携帯端末をコンシューマーに安価に提供するために販売奨励金で端末価格の一部を補てんしている。

 GoogleあるいはT-MobileなどのGSMキャリアによる価格補てんがなくなれば、こういった端末は、一般のコンシューマーの手の届かない500ドルの価格帯になるだろう。しかしこれが、iPhoneに対抗してAndroidの販売を拡大するためにGoogleが採用しようとしている作戦のようだ。

 この戦略は危険が大きいと思われる。米国でコンシューマーに直接販売するという試みは、これまですべて惨めな失敗に終わっているからだ」とリンジー氏は記している。「特に指摘したいのは、米国のコンシューマーは、価格補てんを受けていない携帯電話にはあまり関心を示さず、AppleがiPhoneの(価格補てんを受けた)小売価格を399ドルから199ドルに引き下げたとき、iPhoneの販売が大幅に加速したということだ。これは米国人は相変わらず、携帯電話の価格補てんをどん欲に求めていることを示している。

 BroadPoint AmTechのアナリスト、ベン・シャクター氏は、これとは異なる見解を12月14日付の調査メモで述べており、「携帯電話市場を揺るがすことができるという自信がなければ、Googleはこんな作戦を採用しないだろう」と指摘する。

 今回は、iPhoneと競争する新たなスマートフォンがまた1台登場するというのとは異なる。Googleは現在のビジネスモデルを変革し、より根本的な形でモバイルWeb環境の発展に影響を与えようとしているのではないか。その手段としては、広告で支えられた経済モデル、音声よりもデータに主眼を置いた携帯端末、ロック解除などが考えられる。

 結局、Nexus Oneは従来の意味、あるいは“スマートフォン”的な意味での携帯電話とはならないだろう。これは現在のビジネスモデル、データか音声かという問題、そしてコンシューマーがモバイルサービスに支払う方式はどうあるべきかという問題に挑戦する携帯端末になると思われる。

 Nexus Oneに組み込まれるすべての機能をコントロールし、分断化を避けるために、Googleが自社のさまざまなサービスとアプリケーションのすべてを包含したモバイルエコシステムを構築する可能性もある。これには、Google Voiceとの緊密な連係、GPS対応の道案内と地図検索、位置ベースのモバイル広告、モバイル検索などが含まれるだろう。

 シャクター氏によると、こういったモデルがどのように進化するのかまだ予想できないが、GoogleはモバイルWebサービスに関連した広告で大きな収益を確保できる可能性があり、これによってユーザーが支払う携帯電話の価格を十分に補てんできるかもしれないという。

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