「iPhone SDKの契約は一方的にAppleに有利」EFFが批判

» 2010年03月09日 16時14分 公開
[ITmedia]

 AppleとiPhoneアプリ開発者のライセンス契約は、Appleに一方的に有利な内容となっている――電子フロンティア財団(EFF)は3月8日、契約の内容を公開し、このように批判した。

 EFFはこの日、iPhone OS向けソフトの開発者が同意しなければならないライセンス契約「iPhone Developer Program License Agreement」(iDPLA)の全文をWebサイトで公開した。これまでは、「Appleの許可なく契約について公に語ってはいけない」という条項があるためか、契約書が公開されることはあまりなかったという。EFFは米航空宇宙局(NASA)がiPhoneアプリを提供していることを知って、情報公開法を利用して同局からiDPLAを入手した(EFFが入手した契約書はRev.3-17-09で最新版ではないようだ)。

 EFFはこの契約書について、開発者側に不利な点を幾つか指摘している。例えばある条項では、開発者は契約の条項について「公にコメント」してはいけないと定めている。「契約自体は機密情報ではないのだからおかしい」とEFFは述べている。

 また、iPhone SDKで開発したアプリは、App Storeでしか配信できないとする条項もある。たとえAppleからアプリを却下されたとしても、そのアプリをCydiaなどの非公認アプリストアでは販売できないことになる。

 EFFは、Appleが「いつでも開発者のアプリのデジタル署名を無効にできる」条項があることも指摘している。Appleのスティーブ・ジョブズCEOは、ユーザーがインストールした後でも、Appleがアプリをリモートから無効化できることを認めている。

 このほか同団体は、iDPLAでは、フェアユースであると裁判所に認められている「相互運用性のためのリバースエンジニアリング」も禁止されていることや、いかなる状況でも(Apple側の過失で開発者に損害が生じても)Appleは開発者に対して50ドル以下の賠償しかしないと規定されていることも指摘している。「もしもAppleがアップデートを失敗したり、誤ってアプリを無効化したり、開発者の顧客リストを競合企業に漏らしてしまったとしても、iDPLAによって賠償金はディナー程度の額に抑えられている」

 こうした契約内容から、EFFは「この契約は一方的であり、あらゆる点でAppleに有利になっている」と批判している。「エンドユーザー使用許諾契約では珍しくはないが、これが大企業を含め、10万を超えるiPhoneアプリ開発者に適用されていることには少々驚く」と同団体は述べ、Appleが顧客を「所有」しているため、このような条件を開発者に押しつけることができるのだとしている。

 EFFは「Appleのモバイルデバイスがコンピューティングの未来であるなら、PC時代よりも技術革新や競争が制限された未来になるだろう」として、開発者は契約条件の改善を要求し、顧客はそれを支持するべきだと主張している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月01日 更新
  1. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
  2. 「iPhoneのアプリが起動しない」報告相次ぐ 端末再起動やアプリ削除で解決しない理由 (2026年09月29日)
  3. KDDI、楽天モバイルへのローミング状況を公開 9月末から大幅減 10月から新たな枠組み (2026年09月30日)
  4. 「iOS 27.0.1」配信開始、iPhone 18 ProのFace IDやカメラの不具合を解消 「iOS 26.7.1」も (2026年09月29日)
  5. Nothingは経営危機なのか 黒住氏は日本撤退を否定、値上げは「モデルチェンジのタイミング」で (2026年09月29日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  8. ドコモが「iPhone 17e」「iPhone 16」を値上げ 17e(256GB)と16(128GB)は残価も増額 (2026年09月30日)
  9. 20万円超のXperiaを「買い」に変えた3週間 ソニーが「モニタープログラム」を実施した理由 (2026年09月26日)
  10. 「ドコモミリ波イニシアチブ」始動、ミリ波の活用促進やユースケース創出を目指す (2026年09月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー