Appleの「iAd」、広告料はかなり高額――iPhoneとiPadでの料金は100万ドルになる可能性も

» 2010年06月01日 17時03分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 自社の製品やサービスにプレミア価格を設定するのに慣れている米Appleは、iPhoneおよびiPad上で動作するアプリ向けに作成された広告に対して、一般的な価格の5〜10倍の料金を設定するかもしれない。

 Appleは4月8日、自社の人気スマートフォンのiPhone向けのアプリケーション内に広告を直接表示させる広告プラットフォーム「iAd」を発表した。アプリケーションの開発者が広告収益の60%を取り、残りの40%がAppleの取り分となる。

 広告業界関係者がWall Street Journalに語ったところによると(リンク先の無料閲覧は一部制限あり)、AppleはiPhoneとiPad上で表示される広告に対して100万ドルという高額料金を設定するようだ。現在、この種のモバイル広告の料金は10万〜20万ドルというのが相場だ。

 広告業界関係者の話によると、Appleは広告主に対して、コンシューマーがバナー広告を見るたびに1セント、そしてバナー広告をタップするたびに2ドル課金する可能性があるという。また、6月に予定されている「iPhone 4.0」のリリースと同時に登場するiPhoneアプリケーション内広告については、最高1000万ドルという価格が設定される可能性もあるとWall Street Journalは報じている。

 Appleのスティーブ・ジョブズCEOは、iPhone 4.0の紹介プレゼンテーションの中でiAdを発表し、「検索結果の脇に広告を表示するよりも、アプリケーションの中で広告を表示する方が効果的だ」と強調した。

 この手法のメリットは、ユーザーが利用中のアプリケーションから離れることなく、シームレスに広告を見ることができるという点にある。映画の予告編などの広告はアプリケーション上で動作し、表示が終わるとユーザーは直接アプリケーションに戻される。ジョブズ氏はこのアプローチについて「テレビ番組の合間に広告を流し、広告が終わったら番組に戻るようなものだ」と説明した。

 アプリケーション内広告にプレミアム価格を設定するというAppleの計画について、米Piper Jaffrayのアナリスト、ジーン・マンスター氏は米eWEEKの取材で、iAdは革新的なプラットフォームになるという見方を示しながらも、次のように指摘している。

 Appleが狙っているモバイル広告料金と、多くの企業のモバイル広告予算の間にはギャップが存在するように思える。有名ブランド企業はAppleの価格設定に応じるかもしれないが、今のところ、企業のモバイル広告予算は新興メディアに対する少額の試験的予算という段階にとどまっている。とはいえ、この市場で成功する企業があるとすれば、それはAppleだろう。

 Appleはこの市場で微妙な立場にある。同社はデジタル広告の分野で実績がなく、また、モバイルアプリケーションで広告を表示するという同様の計画を進めているGoogleは障害に直面している

 米連邦取引委員会(FTC)は、米AdMobに対するGoogleの総額7億5000万ドルの買収提案を調査中だ(訳注:本記事は4月29日に作成された。FTCによる調査は5月21日に終了し、Googleは27日に買収を完了している)。AdMobは、AppleがiAdで計画しているのと同じタイプのアプリケーション内広告を提供している。

 Googleはデスクトップ検索分野の支配により、全世界の主要ブランド企業に広告を売り込む力を持っている。しかしAppleも、iPhoneが3年間で5000万台以上、そしてiPadが発売後1週間で50万台以上売れるなど、モバイル市場での実力は折り紙付きだ。iAdの発表を受け、モバイルWebの広告市場に関する予測を見直したアナリストもいる。

 マンスター氏は、モバイルアプリケーション内広告の市場規模は、Appleのモバイル端末のユーザーベースの拡大に呼応する形で、iAd立ち上げ後1年目となる2011年には約2億2000万ドルになると予測する。さらに2013年には、アプリケーション内広告の市場は7億ドルに達する可能性があり、そのうち5億ドルがiPhoneプラットフォーム上の広告で生み出される見込みだとしている。

 「AppleはiAdプラットフォームを通じて、このうち3億8000万ドルの広告収入を確保すると予想される。これは、iPhoneプラットフォーム上の広告市場シェアの77%に相当する。その一方で、AdMobなどのライバルは今後も、iPhoneプラットフォームと競争を繰り広げるだろう」とマンスター氏は4月9日付のリサーチノートに記している。

 米調査会社BroadPoint AmTechのアナリスト、ブライアン・マーシャル氏は、さらに強気な見通しを抱いており、事業が軌道に乗れば、iAdプラットフォームは25億ドルの収益を新たに生み出す可能性があるとしている。

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