RIMのCEO、Appleのアプリ戦略を批判 「SDKによる統制は不要」

» 2010年11月19日 07時50分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 カナダResearch In Motion(RIM)の共同CEOであるジム・バルシリー氏は11月16日、スマートフォンとアプリケーションの開発用SDKを、AdobeのマルチメディアソフトFlashなどの業界標準をサポートしないクローズドなシステムで提供するという米Appleのやり方に異議を唱えた。

 米サンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Summitで、バルシリー氏は次のように発言した。「われわれはモバイル端末でもWebを利用できるようにすることには賛成だが、そのためにSDKで開発を統制するようなことは不要なはずだ。それがわれわれのメッセージの核となる部分だ。Webを利用するためのアプリなど不要であり、特別に規定された開発ツールセットを使う必要もない」

 同氏のこのスタンスは、自社が認めたソフトウェアとSDKを使ってプログラマーにアプリを書かせているAppleのクローズドな開発プラットフォームとは全く対照的なものだ。

 バルシリー氏によれば、RIMのBlackBerry開発環境では、プログラマーは何らネイティブコードを書かなくてもBlackBerryにアプリを発行できるほか、Adobe AIR SDKを使用して、BlackBerryスマートフォンにローカルにランタイムを置くことも可能という。

 「ではあなたは、Web用のアプリに反対ということか?」とWeb 2.0 Summitでホスト役を務めたジョン・バッテル氏に尋ねられると、バルシリー氏は「そうだ」と答え、AppleがApp Storeで掲げている「there's an app for that(そのためのアプリがあります)」という決まり文句に異議を唱えた。App Storeでは現在、30万本以上のアプリが提供されている。

 バルシリー氏の発言が手厳しいのは、先ごろAppleのスティーブ・ジョブズCEOがRIMのビジネスに対していわれのない攻撃を仕掛けたのを受けてのことだろう。ジョブズ氏は1カ月ほど前、Appleの第4四半期決算の発表会に登場し、直近四半期のスマートフォンの販売台数でAppleがRIMを上回ったことを自慢げに話した。

 米国のスマートフォン市場ではRIMが依然としてトップだが、AppleのiPhoneとGoogleのAndroidを搭載する端末はRIMに脅威を与えるのに十分な勢いでRIMからシェアを奪いつつある。

 「われわれはついにRIMを追い抜いた。当分、追い付かれることはないだろう。RIMにとって、競争力のあるプラットフォームを開発するのは難題だろう。AppleのApp Storeには30万本ものアプリがある。RIMが登るには高すぎる山だ」とジョブズ氏は決算発表会で語っていた。

 さらにジョブズ氏は、競合各社が画面サイズ7インチのタブレットコンピュータを開発中であることも批判した。同氏に言わせれば、7インチの画面では真のタブレットとは言えず、どっちつかずの中途半端な端末になるのがおちだという。

 来年企業ユーザー向けにBlackBerry Playbookのリリースを予定しているRIMのバルシリー氏は、この攻撃に対し、7インチタブレットは優れた製品であり、AppleがiPhoneやiPadタブレットでAdobeのFlashのサポートを拒否しているのはお粗末な選択だと反論した。

 「エコシステムを自らがコントロールし、クローズドなプラットフォームを維持しようというAppleの試みは、Appleにとってはよいことかもしれないが、開発者はもっと多くの選択肢を望んでおり、ユーザーはFlashを使用している圧倒的多数のWebサイトへのフルアクセスを望んでいる」と同氏は10月19日付でブログにコメントしている。

 バルシリー氏はこのタブレット論争のさらなる援護として、Web 2.0 Summitの出席者に対し、PlaybookとiPadの性能を比較したYouTube動画を紹介した。

 この動画は、一部のアプリに関してはPlaybookのほうがiPadよりも3〜4倍高速であることを示したもので、その差はPlaybookがマルチコアプロセッサを採用していることによるという。

 またバルシリー氏は、RIMがNFC(近距離無線通信)のサポートを追加する予定であることも示唆し、「この技術をサポートしないようでは愚かだ」と述べている。Googleのエリック・シュミットCEOも15日、同じくWeb 2.0 Summitにおいて、NFCをサポートする携帯電話のデモを披露している。

 バルシリー氏によれば、RIMはスマートフォンの新製品BlackBerry Torchも発売しており、スマートフォン市場において決して苦境に陥ってはいないという。BlackBerry Torchはユーザーからさまざまな評価を受けている。

 さらに同氏は、消費者によるスマートフォン採用の動きは世界中で活発であるため、RIMにはリードを広げるための時間は十分にあるとも語っている。

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