ドコモの障害は「笑えない」 通信ひっ迫に「ネチケットが必要」と孫社長通信増は「4年で100倍」の勢い

» 2012年02月02日 19時45分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 「ドコモの状況を笑える状態ではない」――ソフトバンクの決算会見で孫正義社長が、NTTドコモの通信障害に関連して、スマートフォンによる通信量増加の状況を説明した。爆発的なトラフィック増に危機感を示し、「全ての電波をオークションにかけるべきではないか」と、電波の有効活用のあり方について持論を述べた。

モバイルネットワークでは「“ネチケット”が必要」

photo ソフトバンク 孫正義社長

 携帯電話最大手としてネットワーク品質に定評のあるドコモが、スマートフォンの通信対策に苦戦している。昨年末から、スマートフォンが行う大量の通信に端を発した障害が複数発生。総務省から行政指導を受ける事態となった。

 ソフトバンクの孫氏は「我々も笑える状態ではない」と危機感を示し、スマートフォンによる通信の増加は「業界全体の共通の悩みだ」と説明する。孫氏によれば、同社の携帯電話網の通信量は、1年で2倍のペースで増加しているが、スマートフォンへの移行が進む東名阪などの都心エリアでは、3.4倍ものペースで増加しているという。

 「これは大変なことだ。このままいけば2年で10倍、4年で100倍になる。100倍になったら、いったいどれほどの周波数をもらえば通信をまかなえるのか」(孫氏)

 1月25日に発生したドコモの障害では、スマートフォンのOSやアプリが自動で行う、頻繁な制御信号の発信が基地局設備に負荷をかけた。ドコモは設備を強化するだけでなく、信号を減らす施策をOSやアプリの提供企業に求めていく考えを示したが、孫氏もこれに同調する。

 「アプリやOSの開発者と一緒になって取り組んでいかなければいけない問題だ。(通信帯域が限られる)モバイルインターネットでは、“ネチケット”(ネットのエチケット)が必要。皆で協力し、ユーザーにも認識してもらわないといけない」(孫氏)

「すべての電波をオークションにかけるべき」

 電波は有限の資産であり、利用目的ごとに使える周波数が定められている。最近では地上デジタル放送の移行に伴い、アナログテレビの放送で使われていた900MHz帯の周波数が“空いた”ため、これを携帯電話の電波に活用することになった。現在、ソフトバンクを含む携帯キャリア4社が周波数を求めて総務省に申請を行なっている。

 こうした中で孫氏は「たまたま空いたので携帯電話に使えたが、有効活用されていない電波はほかにもあるのではないか」と主張する。「自動車のITSはプラチナバンド(電波の届きやすい周波数帯)を使っている。マラソンの中継車も。ほかにも(見直しが必要な電波が)いっぱいある」(孫氏)

 900MHz帯の割り当て方法として総務省は、現在の審査方式に替わり、海外で採用例のあるオークション方式の導入も検討していた。結局は審査方式が取られたが、孫氏は「(電波の割り当てを)全て見なおして、全てをオークションにかけるべきではないか。テレビは別、といった話は許されない」と持論を述べ、割り当ての根本的な再編成の必要性を訴えた。

 「スマートフォンはお前たちが勝手に始めたのだから、パケ放題を永久に続けるのは義務だとお叱りを受けると思うが、それでも(通信増加は)業界共通の問題になる。2年で10倍、4年で100倍、8年で1万倍。それで我々は、電波を何倍もらえますかと。せいぜい1.5倍ぐらいもらって、それで通信が1万倍増えたら誰がどうまかなうのだ。時間の問題で、いずれ根本的に解決しなければならない時が来る」(孫氏)

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