人の“アクセサリー”にならないアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

あなたは、いくらでも替えのきく「刺身のツマ」のような人になっていないだろうか。もちろんそういった人も重要だが、長期の人脈を築くなら、ある程度クセがある方が有利になる。

» 2010年01月21日 14時00分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 知り合いで、美人でステキな女性がたくさんいる。Aさんは、そつなく誰とでも会話をこなし、笑顔が絶えないせいか、いろいろな人からイベントなどに誘われるタイプ。確かに「誰か一人足りない」とか「華がない」などという場合には適任だが、イマイチ特徴がないようにも思える。そうなのだ、彼女は単なる“刺身のツマ”のようなものに成り下がっている可能性があるのだ。

 一方、知り合いの中でも、一本筋が通っているBさんがいる。こちらも超美人なのだが、大検を受け、苦労しながら現在の地位を築いた人。はっきりモノをいい、毒も吐くが、知識も豊富で、ロジカルな考え方をする。

 両者ともに知り合いが多く、本当に人脈が広いが、まったくタイプが違う。Aさんは、場を華やかにするための脇役(アクセサリー)的な立場になっており、Bさんは主役になれる人なのだ。

 「あの人はクセがある」という言葉は、ともすると「悪口」につながることもある。だが、「クセ」、いわゆる「特徴」が薄い人はいくらでも「代替」となる人がいるし、イマイチ面白みに欠ける気がして、いつの間にか、そのポジションには、ほかの「クセのない人」が収まっていたりする。

 だが、ある程度クセがある、特徴がある、独自の主張がある人というのは、そのポジションが確立されており、ほかの人に取って代わられたりしない。

 「誰とでも仲がいい」という言葉はほめ言葉に使われるかもしれないが、悪く言えば八方美人である。長期に渡る人脈を築くなら、特徴のない飾りモノを目指すより、クセのある人のほうがいいだろう。何かにつけて「●●さん」と思い出してもらいやすい。

 もし個性的であることで、居心地の悪さを感じている人がいれば、現在最適な場所にいないだけなのかもしれない。もっと別の世界に出て行き、せっかくの「個性」「特徴」を発揮することで、今後長く交流できる人間関係を築いていってもらいたい。

 ただ、個性的であることと、人への配慮を欠くということは全く違う。傍若無人にふるまうのではなく、相手の気持ちを考慮しつつも、独自の見解を表現する必要があると思う。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ