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定年後に「新天地」で挑戦する高齢者 中小企業の支援で新たな生きがい見つける70歳の働く場(3/5 ページ)

» 2021年07月28日 08時00分 公開
[中西享ITmedia]

「お金より、やりがい」

 同社プロフェッショナル人材バンク事業部の中村遼志事業部長は話す。

 「プロ人材の登録人数は20年に1万人を超え、6月末現在では約1万2000人となり、毎月約200人超のペースで増えている。一方、求人登録会社は約3000社超。Web広告や企業の口コミ紹介で増えている。20年4月、1回目の緊急事態宣言を受けたことで、リモートワークが増加し、プロ人材の登録者数が伸びた。中高年齢者が定年後の先行きに危機感を持っている中で、自分のスキルがどのくらいのものか、自分の可能性を試したいという気持ちが生まれたのではないか。

 これまで、登録者は50代以降が中心だったが、コロナ禍では40代前半の登録者も出てきた。先行きが確実に見通せなくなる中で、自分がどれくらい要望に応じられるか試してみたいという気持ちがあるようだ」

 また、オンラインで面接が受けられることもあり、地方からの登録者が増えているという。「地方企業からの求人も増えているので、地方企業、地方人材のマッチングにも力を入れたい。副業が解禁になったこともあり、登録が増える傾向は今後も続くのではないか。一部の役員クラス経験者は『その待遇条件では受けられない』といった金銭面の要求もあるが、多くの場合は、待遇よりもやりがいを求めている」。

 今後のマッチング事業にも手応えを感じているという。

 「エスプールが企業から仕事を請け負って、ふさわしい登録者を見つけるような、一歩踏み込んだ事業にも取り組みたい。人材の紹介ではミスマッチが指摘される一方、得意分野で貢献できる仕事の中から選んでもらうので、ミスマッチとなるケースはほとんどない」実際の具体例をみてみよう。

エスプールの中村遼志事業部長

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