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育児中の主婦が立ち上げた「子ども向け英語スクール」は年商7000万円に成長 教育ビジネスの勝ち組に「異色の戦い方」を聞いた目指すは上場(2/5 ページ)

» 2021年08月23日 12時44分 公開
[霜田明寛ITmedia]

指導者の採用基準

――宣伝といった宣伝をしていない、という戦略も気になります。

 戦略があるわけではないんです。ただ、教室に見学に来ると、実際に英語を喋っている幼児たちがいる。みんな週2回通うだけで喋れるようになっている。その姿を見て親御さんが入学を決めてくださいます。見学からの入会率は非常に高いと思います。採用のための宣伝もしていないので、そこは特殊かもしれません。

――お一人で立ちあげたこちらのスクールも、現在は羽織さん以外のスタッフや講師も集まってきています。採用のための広告費をかけずにどのように採用してきたのでしょうか。

 ブログを経由して私やスクールのことを知って応募してきてくれます。ただ、そのブログも採用のために始めたわけではないんです。初期の内容としては、主に現状の英語教育への批判です(笑)。あまりにもおかしなことを言う人や、デタラメな幼児英語教育論がまかり通っていたので、そんなことはない、といったことを必死で発信していたら、その志に共感してくれる人が現れて、仲間が増えていきました。

――指導者を採用するときの基準のようなものはありますか。

 指導者には「褒め上手であること」と「子どもが好きなこと」を前提の条件として採用しています。ネイティブかどうかは関係ありません。

 というのも、実は、生徒たちには“英語を学びに来ている”感覚はあまりないんです。それよりも、“褒められに来ている”という感覚のほうが強い。私たちは、生徒が教室内で走っても「走るな!」ではなく「走るの早いね」、眠っていても「寝るな!」ではなく「かわいい寝顔だね」という言い方をします。私も生徒に対してよく「my love」「honey」といった呼び方をします。

 そうやって、肯定的に接することで、教室に来るのが楽しい、私たちと話したいと感じてもらう。言語を問わず、やはり子どもって、安心感のある環境、自分を認めてもらえる環境じゃないと、言葉を発しづらいですよね。スクール内での会話は英語ですから「教室に来て喋りたい」という気持ちが生まれる環境を作ってあげることが、英語上達への第一歩なんです。

羽織愛氏が代表を務める「英語自在」

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