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育児中の主婦が立ち上げた「子ども向け英語スクール」は年商7000万円に成長 教育ビジネスの勝ち組に「異色の戦い方」を聞いた目指すは上場(3/5 ページ)

» 2021年08月23日 12時44分 公開
[霜田明寛ITmedia]

重要なのは英語で“何を言うか”

――褒めるという文化自体が日本の教育には足りていないのかもしれませんね。

 英語では恋人でなくても「I love you」といって電話を切ったりもするんですが、日本では少し違和感がありますよね。肯定的な言葉が飛び交うのは、実は英語圏では当たり前のことで、外国語学習って精神的にもいい影響があるというのが分かっているんです。

――資格スクールだと、資格をとれたら卒業していきますよね。幼児英語教育のスクールで喋れるということが達成されてしまうと、どうなるのでしょうか。

 そこが、私たちが初期に設計をしていなかった、大きなミスの部分です。昔は、英語が喋れるようになると、すぐにやめてしまうお子さんが多かったんです。そういった親御さんのブログを見ると、お子さんが外国人の方と英語で喋っている動画をネットにアップされたりしていました。もちろん、自分の子どもが英語を喋れるようになってうれしい気持ちは分かります。ただ、英語を喋れることで、何かを達成したと感じてしまってはいけないんです。

――どういうことでしょうか。

 英語を喋れる人は、海外に行けばいくらでもいますよね。“英語を喋れる子ども”というだけでは、世界的に見たら珍しくもなんともありません。だから、別にただ英語を長々と喋れても意味がない。重要なのは英語で“何を言うか”です。その“何”の部分が空っぽなまま、ただ英語を喋れるようになったことを誇ってしまっては、そこで成長が止まってしまいます。

 例えば、仮に口数が少なくても、必要なときに、よいタイミングで自分の考えを伝えられることが、本当の意味で“言語を使える”ということだと思うんです。

――英語を喋れることはそれ自体が目的ではなく、手段だということですね。

 はい。ですので、私たちのスクールでは“英語を使って何をしたいのか”というのを、説明・確認するようにしています。リーダーコースといって、英語を使って、リーダーとして年下の子どもたちをまとめるようなコースもあります。そうすると、話せれば終わり、ではなく、話せた後のモデルケースがでてくるので、退会率は下がるようになりました。

 堀江貴文さんは「“英語なんて”喋れればいい」というような言い方をされていますが、そのニュアンスってとても共感できるものなんです。初期にやめていってしまった親御さんたちは、英語が話せること自体を崇高なものと捉えてしまっていました。そうすると、私のようなネイティブではない日本人と英語で喋ってもしょうがない、という思考になってしまうんですよね。私の伝え方が悪かった部分も多いので、そのミスを経て今はうまく修正できていると思います。

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