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元ネスレ日本社長の高岡浩三が、ホリエモンの宇宙ビジネスに参画した理由ものづくりを21世紀型に変える(2/5 ページ)

» 2022年01月28日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

日本にとって優位性がある事業

 ネスレ日本で革新的なプロダクトやサービスを次々と世に出し、世界的なマーケターとして知られる高岡氏は、21年6月にISTのマーケティングアドバイザーに就任した。これまでとは全く畑が違う宇宙ビジネスに参画した理由を次のように明かす。

 「ホリエモンからアドバイザーになってくれないかと以前から頼まれていましたが、自分で会社を立ち上げてクライアントも殺到していたので、時間的余裕も自信もありませんでした。最終的には、プロデューサーをしているアンカー・デジタル・イノベーション・サロンの講演をホリエモンにお願いしたときに、交換条件を出されて承諾したのが本当のストーリーです(笑)。

 アドバイザーに就任する前は、彼がなぜ多額の私財を投じながらロケットを飛ばしているのかが分かりませんでした。あるとき、彼のホンダジェットに乗って大樹町のISTまで連れて行かれて、往復4時間の間にいろいろな話を聞きました。目指しているのは、日本製の人工衛星を日本製のロケットで格安で宇宙に飛ばして、革新的なサービスを提供することです。これは日本にとっては優位性がある事業だと感じました。

 日本の大企業も、20年後や30年後に向けてビジネスモデルをどのように変えればいいのか分からない状態です。多くの企業が宇宙ビジネスにもう少し本腰を入れることによって、宇宙にたくさん打ち上げた小型の人工衛星を、いろいろな業界のイノベーションに結びつけられると考えました」

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