世界の宇宙ビジネスの市場規模は、21年時点で約40兆円と見られている。40年には110兆円規模に成長する見通しだ。ただ、米国企業に莫大な資金が集まっているのに比べ、日本の宇宙ベンチャーへの投資規模はまだまだだと高岡氏は指摘する。
「宇宙ビジネスは大きなイノベーションです。しかし、投資の金が回ってこないと、イノベーションはできません。現状では米国や中国と比べて、日本の宇宙ベンチャーへの投資は2桁以上少ないのです。このままでは将来の日本は沈没するだけではないでしょうか。いくら政治家が分配するといっても、成長のない分配はますます貧しくなるだけです」
そこで高岡氏が目指しているのは、日本企業に宇宙ビジネスに目を向けてもらうことだ。同時に、宇宙を舞台にした新しい技術開発に取り組むISTに対して、積極的に投資をしてもらう環境を作ることを狙う。
「今までのISTは、ホリエモンのネットワークでしかお金を集めることができていませんでした。しかし、それでは足りず、ファンドも含めた投資家との関係を構築しなければいけません。
その際に、人工衛星の技術を使ってどんなイノベーションを起こせるかを、企業に説明する必要があります。農業に活用できることを知ってもらえれば、トラクターなどの農機メーカーからの投資を呼び込めます。もちろん、自動車産業にも活用できます。
さまざまな産業で使えることを知ってもらい、投資に名乗りを上げてもらうことによって、日本の宇宙産業も大きく成長できます。超小型の人工衛星を安価に打ち上げることによってイノベーションが生み出せることを説明し、企業から投資を呼び込むことが、ISTでの僕の役割です」
フィリップ・コトラーが認めた鬼才 元ネスレ日本社長の高岡浩三に聞く「サラリーマンが内部からイノベーションを起こす鉄則」
ホリエモンが明かす「民間ロケットとLinuxの共通点」 宇宙開発で今、切実に足りていない人材とは
ホリエモンが北海道で仕掛ける「宇宙ビジネス」の展望――くだらない用途に使われるようになれば“市場”は爆発する
堀江貴文に聞く インターステラテクノロジズと民間宇宙ビジネスの現在地
堀江貴文氏「正直、機体の動作はパーフェクト」 インターステラテクノロジズ「ねじのロケット」が同社2度目となる宇宙空間の到達に成功
ホリエモンが斬る「ビットコインで大損した人たちを笑えない事情」
ホリエモンが「次の基幹産業は宇宙ビジネスだ」と断言する理由
堀江貴文氏「積み重ねが結果に結びついた」 インターステラテクノロジズ「TENGAロケット」が宇宙空間に到達
インターステラテクノロジズのロケット「えんとつ町のプペル MOMO5号機」、打ち上げ実施も宇宙空間に到達ならず
ホリエモンが政治家に頭を下げてまで「子宮頸がんワクチン」を推進する理由
インターステラ稲川社長が語る「SpaceXの偉業を支えた“天才技術者”」 民間による有人宇宙飛行成功の原点とは?
宇宙開発は製造業からインフラ・情報産業へ――インターステラテクノロジズとアクセルスペースが描く宇宙ビジネスの展望
インターステラが今夏に「ねじのロケット」を打ち上げ 花キューピットのバラを宇宙空間へ
ホリエモン出資のロケット「MOMO5号機」が5月2日に「打ち上げリベンジ」 新型コロナの影響で無観客打ち上げ
新型コロナで苦渋の決断――ホリエモン出資の宇宙ベンチャー・インターステラ稲川社長が“打ち上げ延期決定前”に明かしていた「人材育成と成長戦略」
ホリエモンとの出会いが人生を変えた――インターステラ稲川社長が語る「宇宙ビジネスの未来」
ホリエモン出資のロケットを開発、インターステラ稲川社長が目指す夢「早期に小型衛星ビジネスに参入」
ホリエモンが北海道“ロケットの町”で次の一手 「堀江流レストラン」開業に奮闘
僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由
超小型衛星4機を打ち上げ アクセルスペース中村友哉CEOが語る「民間宇宙ビジネスの未来」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング