ユーザーに対して打ち出すサービスは、音声通話、Webやメールなどのデータ通信といったおなじみの内容に加え、数Mbpsクラスの高速データ通信、ICタグを利用した非接触決済、認証サービスなどを予定している。屋外ではCDMA網を使うが、屋内では無線LANを使い、Yahoo!BBフォンの子機として利用できるといった使い方も提案している。
現行キャリアの問題点としてソフトバンクが指摘しているのが、料金体系のわかりにくさだ。定額制など分かりやすい料金体系を提案し、同社の固定回線に加入している世帯には、セット割引を適用する。
現在ソフトバンクが持っている固定回線の加入者は約1100万世帯。1世帯に3人程度携帯電話ユーザーがいるとして、約3000万人の加入者が見込めると考えている。
このほか注目されるのが、“携帯用サイトとPC用Webサイトの統合”“セキュリティの強化”といった項目だ。無数にあるPC用コンテンツが携帯用にカスタマイズされ、携帯から自由に観られるようになれば、ユーザーにも大きなメリットとなる。
セキュリティの強化とは具体的には、迷惑メールやワン切りなどの不適正利用者に対する利用停止や、契約解除といった措置など。子供が使う場合に犯罪に巻き込まれないよう、アクセス制限をかけたり、位置情報管理を組み合わせるといったサービスを考えているという。
ソフトバンクでは免許が交付されてから2年以内の営業開始を目標にインフラを整備するという。すでにIPバックボーンはできており、携帯端末の仕様は作成済み、1万3000カ所の基地局用地も内諾済みだ。
「NTTグループもKDDIグループも、営業利益の大半を携帯電話から得ている。それを考えると、(ソフトバンクが)ホップステップ『ジャンプ』するためには、携帯事業を中核事業として育てていかねばならない」と、孫社長は意気軒高だ。ソフトバンクが考えるサービスは、果たしてあと何年後に実現するのだろうか?
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