撮影時に豊富な機能が使えるのもW41Kの特徴である。特に静止画の手ブレ補正機能は、auの端末としては初の搭載となる。すでにドコモの「N902i」が採用しており、デジカメでは搭載機種も増えている機能だが、携帯の世界ではまだ珍しい。
W41Kの手ブレ補正機能は、シャッターを押したときに4コマ分の写真を高速撮影し、4つの画像を比較することでブレの方向などを検出して、画像処理により補正するソフトウェア方式だ。
光学式とは異なり、厳密には手ブレそのものを補正しているわけではないが、あえてこの手ブレ補正機能を搭載した理由は「携帯では動いているものを撮影するよりも、薄暗いところで人物などを撮影したり、マクロモードで撮影したりする機会が多い」(長島氏)からだ。機構が大がかりになる光学式に比べ、ソフトウェア処理ならカメラ部がコンパクトに作れ、携帯電話にも採用しやすいという理由もあった。
同社はすでに1X端末「A5515K」で323万画素CCDを採用しているが、今回あえてCMOSを採用したのは、新しいCMOSセンサーの方が、コストを抑えつつ高速な処理が可能だからだ。「CMOSはCCDと比べて画質が悪いとよくいわれるが、W41KのCMOSはCCDと比較しても見劣りしないものに仕上がっている。消費電力の面でもCCDより有利」(長島氏)だという。
片手で持ち、縦位置で構えて親指でシャッター代わりの[決定]キーを押す撮り方では、どうしても端末が動いてしまい、手ブレも起きやすい。しかし手ブレ補正があれば、あまり“撮り方”を意識する必要もないし、暗いところでもノイズを抑えた写真が撮影可能になる。
ある写真を別の写真の左右、上下、斜め、中央、左上に配置して撮影する「組み合わせ撮影」機能なども用意し、さまざまな撮影が楽しめるのもカメラ機能にこだわったW41Kの魅力だ。撮影した後は写真の整理、赤目や明るさの補正、トリミング、印刷などができるよう、付属CDには「Photoshop Album Mini 3.0」を収録した。
斜めに配置したカメラは、ハーフミラー状の背面と合わせてデザイン面での鍵となっている。光永氏は「カメラから上が“顔”、カメラから下がグリップ」と位置づけ、端末を縦に構えたときに、ハーフミラーの背面とカメラ部がうまく一体感を持つようデザインした。
カメラ部の下に、ほどよく指がかかる突起を設けているのも、目立たないながら重要なポイントだ。「縦位置で構えたときの、指の位置をはっきりさせている。これによりレンズに指がかかるのを防いでいる」(光永氏)という。実際、底面の中途半端な位置にカメラを搭載した機種では、とっさに縦位置に構えたとき、指がレンズを覆っていることがよくある。ヒンジに近い位置にカメラがあることと相まって、非常に撮影しやすい。
W41シリーズの中でもトップクラスを誇るW41Kのカメラ機能は、“携帯のカメラ機能”としての使いやすさを追求した結果生まれたものだった。
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