「W44K」は京セラにとっての新たな一歩──“WIN最薄”が生まれるまで「W44K」開発陣インタビュー(3/3 ページ)

» 2007年01月15日 18時58分 公開
[遠藤学(聞き手:平賀洋一),ITmedia]
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インフォメーションキーでできること

Photo インフォメーションキー(※赤丸部分)は、端末背面の中央に配置されている

 サブディスプレイで時刻や新着情報を確認する際、折りたたみ型端末ではサイドキーを使うことが多い。W44Kにもサイドキーは存在するが、それとは別に、多彩な機能を持ったインフォメーションキーを備える。

 「サブディスプレイで時刻を確認する場合、通常はサイドキーを使うが、端末をしっかりと持つ必要があり、これは不便だと思っていた。そこで生まれたのがインフォメーションキー。インフォメーションキーは端末背面の真ん中にあるので、例えば胸ポケットから取り出す際、ちょうど指がインフォメーションキーに触れ、そのまま時刻を確認できる。時計代わりに机に置いている場合でも、人差し指1本ですぐに時刻を確認できる。こういうのは便利だと思った」(板野氏)

 端末背面の中央に配置されているインフォメーションキーは、右利き、左利きどちらも違和感なく使えるのが特徴だ。またインフォメーションキーは、サブディスプレイのオン/オフだけでなく、バッテリー残量の確認、アプリやau Music Playerの起動などにも利用できる。設定はユーザーが任意に行えるため、使い方次第でW44Kの使い勝手を大幅に向上させられる。なおau Music Playerでは、インフォメーションキーとサイドキーが音楽系の各種操作に対応するため、端末を閉じたままでも音楽が楽しめる。

 日本語変換には、辞書機能を大幅に強化した「Advanced Wnn V2 Ex」を採用。大きく分けて変換基本辞書と標準予測辞書の2つを用意し、「Advanced Wnn V2」との比較で変換辞書が2倍、予測辞書が15倍にボリュームアップしている。

 「辞書機能はかなりバージョンアップした。社内でさまざまな端末の日本語変換の調査をすると、W44Kの使いやすさが際立つ。日本語変換は常に課題となるので、今後もしっかり押さえていきたい」(宮坂氏)

 「A5502K」から続く伝統の「ペタメモ」も進化を遂げた。ペタメモは、待受画面上に付箋のようにメモを貼り付けることで、メニューをたどることなくさまざまな機能を呼び出せるもの(2004年2月の記事参照)。普通のメモ帳としても使え、最大で8枚まで登録できるほか、アイコン付きやテキスト付きといった設定や、貼付位置の指定も行える。

 「ペタメモは機能のショートカット的な位置づけ。これまでのモデルでは背景とペタメモがバッティングしていたが、W44Kでは背景をグレーアウトさせることで、見やすさを向上させている」(宮坂氏)

PhotoPhotoPhoto メモ帳としてだけでなく、スケジュールやアドレス帳を待受画面にはり付けることができる「ペタメモ」。MyスポットやEZwebのショートカットとしても利用可能だ

 薄型化のためにほかの機能を犠牲にしないW44Kの開発は、京セラとして、これまでにない新たな挑戦となった。「W44Kを京セラにとっての薄型WINの礎としたい」と話した宮坂氏だが、重量競争と同様に、単純に薄さだけを求めていくと薄型化には限界があるのも事実だ。

 薄かろう悪かろうは駄目――薄くありながら標準機能をしっかりサポートするという京セラのコンセプトは、ユーザーにも受け入れられ、1月12日時点で販売ランキングの6週連続トップを達成している。

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