ソフトバンクモバイルのHSDPAサービス「3Gハイスピード」の通信速度は最大3.6Mbpsだが、この数値はあくまで理論上の最大値だ。実際、「911T」の通信速度はどれくらいなのか。「812SH」と最大1.8Mbpsの3Gハイスピード対応の「707SC II」を交えて計測してみた。
着うたフル(1.7MB)をダウンロード | 添付メール(297KB)を受信 | PCサイトビューアで「Yahoo!JAPAN」トップページへアクセス | |
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911T | 秒数:約39.5秒 速度:約361Kbps |
秒数:約13.5秒 速度:約185Kbps |
秒数:約29.9秒 速度:― |
707SCII | 秒数:約69秒 速度:約207Kbps |
秒数:約7.17秒 速度:約347Kbps |
秒数:― 速度:― |
812SH | 秒数:約57.2秒 速度:約249Kbps |
秒数:約26.1秒 速度:約95Kbps |
秒数:約21.73秒 速度:― |
結果は表の通り。着うたフルのダウンロード速度は911Tが最速だったが、3.6Mbpsの10分の1程度の速度しか出なかった。添付メールの受信は707SCIIが最も速く、911Tの約185Kbpsは3.6Mbpsの約20分の1の速度。本来の実力を出し切れていないという印象だ。
PCサイトブラウザで「Yahoo!JAPAN」のトップページを表示した速度は、812SHのほうが約8秒速いという結果になったが、これは通信速度というよりも、ページを表示する際のレンダリングの処理に、911Tのほうが時間がかかったためだと思われる。解像度の高いワイドVGA液晶を搭載していることが一因だろう。ページサイズが大きかったり画像の多いページは、スピーディにブラウジングできるという印象はあまり受けなかった。
3Gハイスピードの対応エリアは、ソフトバンクのWebサイトやカタログでは案内されていない。ソフトバンクによると、対応エリアは「2007年4月1日現在、全国の政令指定都市および主要都市、首都圏/国道16号線内、東海/名古屋市および周辺の主要都市、静岡市、関西/京阪神エリア」だという。なお、3Gハイスピードの人口カバー率は「現時点では非公表」とのことだった。
操作レスポンスはどうか、という質問も多く寄せられた。前モデル「910T」との比較も交え、メインメニュー、メール、ワンセグなど、待受画面から機能を呼び出して起動するまでの秒数を表にまとめた。
911T | 910T | |
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メニュー起動 | 約1.2秒 | 約0.63秒 |
メールメニュー起動 | 約0.43秒 | 約0.33秒 |
ショートカット起動 | 約0.8秒 | 約0.27秒 |
電話帳起動 | 約0.37秒 | 約0.3秒 |
オーディオ起動 | 約0.67秒 | 約0.43秒 |
カメラ起動 | 約2.53秒 | 約2.7秒 |
ワンセグ起動 | 約8.37秒 | − |
スクロール(Yahoo!ケータイのメニューリスト) | 約3.63秒 | 約2.8秒 |
スクロール(PCサイトブラウザのYahoo!JAPANトップページ) | 約5.03秒 | 約3.77秒 |
スクロール(メールメニュー) | 約2.5秒 | 約2.5秒 |
全体的に910Tよりも911Tのほうが若干遅くなっているが、ストレスを感じるレベルではない。メール、ショートカット、電話帳、オーディオは1秒未満で素早く呼び出せた。カメラやワンセグの起動も十分速いといえる。サイトのスクロールもストレスを感じることはなく、メニュー画面のスクロールもサイトと同様スムーズだ。通常のメニューやサイト画面がワイドVGA非対応となったのは、こうした使い勝手を考慮した措置だったといえそうだ。
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