5分で分かる、今週のモバイル事情9月22日〜9月28日

» 2007年10月01日 23時59分 公開
[ITmedia]

アイピーモバイル、会長が取締役4人を解任、携帯事業免許は返上せず

 アイピーモバイルは9月28日、記者会見を開いて同社の事業の現状を説明した。会見に出席した同社代表取締役社長の竹内一斉氏は、携帯電話事業の免許返上は現段階では考えていないこと、事業立ち上げへ向けて、これまでと変わらず必要な作業を進めていることを明言したが、森トラスト側から、アイピーモバイル会長であり、森トラストと株式を取得する契約を結んだ杉村五男氏の要請に基づいて、臨時株主総会の招集を請求され、現取締役の退任と新取締役の選任を提案されたことも明らかになった。

 アイピーモバイルは、2007年11月9日までにサービスを開始することを条件に、2005年11月、2GHz帯を利用するTD-CDMA方式の携帯電話事業の免許を取得。2007年4月まで、筆頭株主のマルチメディア総合研究所を中心に事業を進めてきたが、その後森トラスト、米NextWave Wireless、森トラストと、筆頭株主が次々と移動し、現在森トラストが所有する株式は、会長の杉村五男氏に譲渡する契約が締結されているといい(株式には譲渡制限があり、取締役会の承認が必要なため、名義の変更は行われていない)、経営は混迷を極めている。

 基地局の建設もほとんど進んでいない模様で、11月にサービスを開始させるのは困難との見方が強まっている。

ウィルコムが次世代PHSで2.5GHz帯の免許を申請

 ウィルコムが9月28日、総務省に2.5GHz帯を利用した次世代高速無線通信の免許を申請した。WiMAX陣営とは異なり、ウィルコムは3G携帯電話事業者ではないことから、単独での申請となった。

 同社は2.5GHz帯の周波数を利用して、次世代PHSを展開する計画だ。現行の技術にOFDMやMIMOなど、WiMAXなどでも採用されている高速化技術を組み合わせ、最大20Mbpsでの通信が可能なシステムを構築する。エリアはPHSの特徴でもあるマイクロセル方式を踏襲し、「5年以内に人口カバー率50%」という総務省の目標もクリアできるとする。

 ちなみに同じ2.5GHz帯には、WiMAX方式でイー・アクセス+ソフトバンク陣営KDDI+京セラ陣営ドコモ+アッカネットワークス陣営などが免許を申請する方針を打ち出している。

KDDI、携帯とPCの共通ポータル「au one」を開始

 KDDIは9月27日、携帯電話とPCのポータルサイトを一体化した「au one」の提供を開始した。au oneオープンと同時にスタートする「MISSING! ワンちゃんを捜そう! キャンペーン」に合わせて、新たに犬のキャラクター「auワン」とその飼い主「Mr.コンシェ」「Miss コンシェ」も発表された。

 au oneは、EZwebポータルとDIONポータル、それにDUOGATEを統合した新ポータルサイト。au携帯電話と PCで同一のメニューやビジュアルを採用し、操作性なども統一してアクセスしやすくした統合サイトだ。au携帯電話からは従来のEZトップもしくはトップメニュー、PCからはブラウザで http://auone.jp/ を開くとアクセスできる。

 なお、サイトのオープンは9月27日午前10時ころが予定されていたが、IDやメールアドレス取得が先着順だったこともありアクセスが集中。特にPC版au oneには午前中ほとんど接続できず、27日いっぱい接続しづらい状態が続いた。

ソフトバンクモバイルのS! FeliCa対応携帯、稼働数が500万を突破

 ソフトバンクモバイルは9月25日、同社の「S! FeliCa」対応端末(おサイフケータイ)の稼働数が500万台を突破したと発表した。これは累計出荷台数ではなく、現在回線契約のあるおサイフケータイのみの集計。2007年4月1日の300万台突破から約6カ月での達成となった。

 S!FeliCa(サービス開始当初は「ボーダフォンライブ!FeliCa」)対応機種は現在21機種で、一部非対応機種もあるものの、「モバイルSuica」や「nanacoモバイル」をはじめとする33種のサービスが利用可能だ。

ソフトバンクモバイルがサービス名などを変更

 ソフトバンクモバイルは10月1日から、一部サービスの名称を変更する。

 10月1日に「S!アドレスブック」「ライブモニター」「ホットステータス」「サークルトーク」「おなじみ操作」「レコメール」を、それぞれ「S!電話帳バックアップ」「S!速報ニュース」「S!ともだち状況」「S!一斉トーク」「S!おなじみ操作」「コンテンツおすすめメール」に変更。11月1日には「イチナビ」「ソフトバンクグローバルレンタル」「マイレージロトダイヤル」の名称を「位置ナビ」「ソフトバンク海外レンタル」「マイレージチャンス」に変更する。

 また、「電話帳バックアップ」「留守番電話プラス」など各種オプション機能をまとめて安価に提供する「スーパー便利パック」も、「基本オプションパック」に変更となる。基本オプションパックは、11月1日から紛失した携帯電話のおおよその位置を調べてくれる「紛失ケータイ捜索サービス」が利用できるのが特徴。3G端末全機種が捜索の対象となっており、GPS搭載機はGPSを利用してより正確な位置情報を取得できる。このサービスは基本オプションパック加入者のみ利用可能だ。

 さらに、現在「スーパー安心パック」として月額498.75円で提供されてきた、故障時の修理代金保証や、機種変更時の端末代金割引といった特典がある有償アフターサービスは、新たに「あんしん保証パック」に変わる。月額498.75円(税抜き475円)という金額は変わらないが、新たに外装破損時に、外装交換価格を80%割引する「破損保証サービス」が追加されたのが特徴。従来は外装交換が無料で行えたが、20%は自己負担が必要になる。入会中毎月105円相当のポイントがプレゼントされる「ソフトバンクマイレージサービスのポイントプレゼント」はなくなっている。

ソフトバンクBB、携帯電話を認証に利用する「SyncLock」を発表

 ソフトバンクBBは9月21日、携帯電話を本人認証の鍵として活用する独自の認証システム「SyncLock」に、Webアクセス認証に対応するシステムを追加した。

 SyncLockは、PCなどの画面にランダムに表示される4けたの“シンクロ番号”を、携帯電話から入力してシンクロサーバに送信し、シンクロサーバでPCなどと携帯電話による2経路複合認証を行うシステム。複製や偽造が不可能で、常にオンラインで管理されている携帯電話(端末)を鍵の替わりに利用するため、IDやパスワードなどを用いることなく、安全で確実な本人認証が行えるのが特徴だ。

 このシステムにより、IDやパスワードを覚えておく必要がなくなるため、利便性とセキュリティが格段に向上するとしている。

エプソンと村田製作所、携帯電話を急速ワイヤレス充電するシステムを共同開発

 村田製作所とセイコーエプソンは9月27日、モバイル機器のバッテリー充電をワイヤレスかつ急速に行えるシステムの共同開発に取り組むことで合意したと発表した。エプソンの無接点電力伝送技術と村田製作所の急速充電技術を組み合わせ、携帯電話などのモバイル機器を15分程度でフル充電できる仕組みを、3年以内を目標に実用化する。

 エプソンが2003年11月に発表した、従来方式と比べ効率を高めた無接点電力伝送モジュールと、村田製作所の急速充電技術を組み合わせた本システムでは、従来1〜2時間かかっていた充電を10〜15分に短縮できるという。

 2009年にも出力15ワットのシステムを実用化する計画で、携帯電話やモバイル機器への搭載を目指しており、実用化に向けて携帯電話事業者やセットメーカーと話し合っていく方針だ。

NTTドコモが行動支援型レコメンドシステムを発表

 NTTドコモは9月28日、携帯電話のスケジュール帳に登録した予定からユーザーの次の行動を推定し、お勧めのコンテンツを自動で配信する「行動支援型レコメンドシステム」を開発したと発表した。

 ドコモが独自開発したというこの技術は、ユーザー属性に加え興味や嗜好、さらに「いつ、どのような行動をとったか」という過去の情報を分析することで、適切なコンテンツを、適切なタイミングで配信する。システムを利用するには、端末内にクライアントソフトとなる専用iアプリをインストールし、アプリに用意されたスケジュール機能に予定を入力すればいい。ドコモでは個々のユーザーにあわせた情報を、優先的に提供できるサービスが行えるとしている。

 実用化の時期は未定だが、今後発表される新端末で対応する予定。また、これまで発売された端末でもサポートする考えもあり、開発時点では「D904i」「F904i」「N904i」の3機種で動作を確認している。

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