「『声de入力』ローカル音声認識タイプ」は、現在KDDIがauケータイ向けに提供している音声認識サービス「声de入力」の新バージョン。電話する相手や、EZWebで検索したいことばをケータイに話しかけることで操作できる。現在の声de入力は、音声から得たパラメータを一度サーバに送り、その解析結果を受信して操作コマンドを端末で実行するという分散型音声認識(DSR)方式を採用していた。
今回展示されたローカル音声認識タイプは、端末に保存したアプリと辞書データのみで音声認識するため、パケット通信を介さずに音声入力が行える。また、アプリ本体と辞書データを合わせても容量は数Mバイト程度のため、端末本体のメモリ領域に十分格納できるという。
また、音声合成エンジンも実装しており、ユーザーの音声を認識した結果を合成音声で返すことが可能。声は男性女性を選べるほか、“アイドル声優”風の声も選択でき、ゲームなどのエンタテインメント分野への応用も考えられるとのことだ。


決定キーを押すとイラストの女性が手を上げ、ユーザーの声を聞くモードになる(写真=左)。ケータイに“最寄り駅はどこ?”と話しかけると、EZWebに接続しGPS情報から現在地をEZナビウォークで検索する(写真=中央)。ローカルで搭載される辞書はサーバ型よりもすくなくなるが、基本的なケータイ操作はもちろん、エンタテインメント分野までカバー|
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KDDIの「声de入力」ローカル音声認識タイプ
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「マルチカードケータイ」は、クレジット情報/クーポンアプリを搭載できるSIMカード(au ICカード)とNFC機能を搭載した携帯電話の検証端末。日本では、事実上FeliCaチップを使ったおサイフケータイがケータイクレジットの標準となっているが、海外での導入事例は少ない。NFCは、FeliCaに加え「MIFARE」との互換性もある近距離無線通信規格で、米MasterCardが世界展開する非接触決済サービス「PayPass」などに採用されている。
デモで使われていた端末は、日立製作所製の「W42H」にNFCチップを搭載し、複数のクレジット情報やクーポンアプリを書き込んだ実験用のSIMカードを装着。「テーマパークの入場ゲート」「施設内の売店」「施設内の飲食店」を想定した3つのリーダ/ライタにかざし、支払い情報やクーポン情報が連携できるかをデモしていた。なお、デモで利用しているリーダ/ライタは、PayPass用として海外だけでなく日本でもすでに使われているものだという。
またNFCを使ったマルチカードケータイは、SIM上に複数のクレジット情報を登録するため、機種変更しても(SIMを差し替えた段階で)そのままケータイクレジットが利用できるのが利点だ。
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