スリムでも妥協しない、“iμ”3代目の集大成──「N-02A」開発陣に聞く「N-02A」(2/3 ページ)

» 2008年12月16日 17時11分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

── ところで、「革新ボディのN-01Aの“対(つい)”としてユニバーサルな折りたたみスタイルのN-02Aがある。ユニバーサルに対する新しい価値とする“イノベーション”の概念を加え、新しい両軸で展開する」と、御社執行役員の山崎氏がおっしゃっていました。今後、“Nの折りたたみ”はどうなっていくのでしょう。

加藤氏 “折りたたみボディ”という形状は、保守的というか普遍的な安心感や使いやすさを与えるものと考えています。このため、機能にこだわらない人だけが選ぶわけではありません。また、もっと進化できる箇所はたくさんあります。この点は今後も重要項目の1つとして大切にしたいと思います。

 携帯の購入方法が変わり、1台の携帯を少し長めの期間で使うようになる傾向があります。長く使うからこそ「外観だけでなく、中身も重視したい」と思うのは当然です。N-02Aはこの層にしっかり訴求し、満足いただける機種に仕上げました。

photo 有効520万画素のカメラを搭載。笑顔を認識して自動でシャッターが切れる「スマイルフェイスシャッター」や手ブレと被写体ブレの両方を補正する「ダブル手ブレ補正機能」なども備える

 実は、今までの「90xiμ」シリーズはサイズを重視したために少し犠牲になっていた機能もありました。でも、そこはユーザーさんにとって大きな不満点の1つだったのです。そこで、今回のN-02Aは妥協を捨てました。カメラや大型ディスプレイ、ワンセグのほかに、サウンド面(SRS TruMediaやバーチャル5.1chサラウンド、Bluetoothなど)、コンテンツ(7.2Mbps通信対応のHSDPAやフルブラウザ、iコンシェルやiウィジェットなどのドコモの新サービス)など、N-01Aと同等の機能を搭載しています。

── カメラもN-01Aと同じなのですね。

高須氏 有効520万画素で、顔検出AFや手ブレ+被写体ブレのダブル補正、スマイルフェイスシャッター(被写体の笑顔を認識し、自動でシャッターを切る機能)、コンティニュアスAF(被写体の距離が変わっても常にフォーカスを合わせ続ける機能)、かんたんブログアップ機能、多彩な撮影モード(ペットモード、逆光モード、料理撮影モードなど)、クイックアルバム(エフェクト機能付き写真ビューワ)などを搭載します。

加藤氏 すごくきれいに撮れるようになりました。フォトライトは備えませんが、撮影モードはN-01Aとすべて同じものが入っています。基本的にはN-01Aとほぼ同じような写真が撮れると思います。

感情お知らせメール連動イルミの種類
認識した感情 カラフルキーイルミネーションの点灯色とパターン
好き ピンク、ホワイト(ドキドキしているイメージ、メルヘンチックはかわいらしさを表現)
悲しみ 青、水色(しとしと雨がしたたるイメージ、沈んだ気持ちを表現)
緊急、驚き 赤、黄(注意や急ぎを促すイメージ、緊急事態や非常事態を表現)
嫌い、怒り 紫、赤(過敏な反応を示すイメージ、激しい感情や強い否定、拒絶、嫌悪感を表現)
喜び、楽しい、ファイト 黄、橙(内側から何かがわき出すイメージ、わくわく盛り上がる気持ちを表現)
アドバイス、お誘い、お願い、OK 黄、橙(よい情報を展開するようなイメージ、好意的な誘いや返事を表現)
感想、返事 白(よくも悪くもない普通の情報を示すイメージ、特別な感情を込めない返答や感想を表現)
質問、通知、お知らせ 緑、白(ただのお知らせ、“中立”をイメージ)

── では、“N-02Aならでは”の機能は何があるのでしょう。

加藤氏 まずは「カラフルキーイルミネーション」です。ダイヤルキーのバックライトをイルミネーションで表現するお勧め機能となります。

 今までダイヤルキーのバックライトは単色でただ光るだけでしたが、開閉動作や電話着信、メール受信、アラーム鳴動といった端末の状態と連動して、きれいな光とさまざまな動きで表現します。女性ユーザーに共感していただけそうな機能に仕上がりました。

高須氏 メールのカラフルキーイルミネーションは、着信時以外に“N”端末おなじみの機能「感情お知らせメール」とも連動します。

 感情お知らせメールはメールの内容を判別し、その感情をアイコン表示で知らせる機能です。このアイコンの種類と連動して、イルミネーションでも感情を表現するようになっています。例えば「好き」だとキーイルミがピンク色になり、「悲しい」だと涙がぽろぽろ落ちるような動きのブルー色のイルミになります。


photo ダイヤルキーのバックライトもイルミネーションとして機能する「カラフルキーイルミネーション」

── 十字キーの周りにも円上にLEDを配置するので、花火っぽい動きの演出もできるのですね。

加藤氏 はい。開発時はちょうど夏頃だったのですが、花火は今見ると季節外れですね。来年の夏にお楽しみいただければと思います。

高須氏 メールの内容をイルミネーションの動きと色で示すと、メールに込めた感情がより伝わる気がします。先日、加藤から「バスに乗り遅れたので、遅刻します(泣)。ごめんなさい」という泣き言のメールが来ました。メール着信があったときは“むっ”としましたが、ディスプレイを開いたら(キーイルミが)悲しく青っぽい光で「うるうると泣いて」いました。一瞬で許してしまいましたね(笑)。

加藤氏 15種類の発光パターンを内蔵していまして、(設定した)誕生日やクリスマスイブ、バレンタインデー、エイプリルフールなどや特別な日に光り方が変わる仕掛けもあります。このほか、NECの携帯サイト「みんなNランド」(iメニュー→メニューリスト→ケータイ電話メーカー→みんなNランド)でパターンのダウンロード提供も行います。

高須氏 このように、文字では伝えにくいメールの感情もイルミネーションとセットで楽しんでいただけるものに仕上げました。背面パネルにも従来の着信イルミがありますので、閉じても、開いても光ります。今回、“光モノ”には力を入れました。

ダイヤルキーのバックライトがイルミネーションになる「カラフルキーイルミネーション」。開閉や電話・メールの着信のほか、着信メールの内容を判別し、動きや色で感情をイルミネーションで表現してくれる
(ムービーはこちらからでも参照できます)

photo 「CeBIT 2006」で展示された“感情を光で表現する”デバイス「言花」(KOTOHANA)

── イルミネーション機能に関するユーザーの声はやはり多いのですか?

加藤氏 女性層を中心に非常に多いですね。キーバックライトの色も1色だけでなく好みの色にしたいというニーズがかなり昔からありました。このため今回は、ただ色だけを変えられるのではなく発光パターンも含めて好みのものを選んでいただけるようにしました。

── この手の機能は今後、もっと進化しそうですね。新規メール作成時など、自分の“今”の感情を示す機能も実現できるのでしょうか。

高須氏 感情お知らせメールの内容は内蔵する感情お知らせエンジンで識別しているので、実現できるかもしれません。ちなみに、入力した文章を判別しワンタッチで感情豊かなデコメールに自動変換する「おまかせデコメ」という機能はすでに備えています。

 ただ、感情お知らせエンジンにとってはデコメ絵文字とデコメピクチャーが実はくせものでして。デコメ絵文字とデコメピクチャーもメールの文章に感情を含められものとして浸透していますが、絵文字ならまだしも、デコメ絵文字は単なるデータなので内容を識別するのが困難なのです。デコメ絵文字満載の超ハッピーなメールも、タイトルが普通だとただのメールとして認識されてしまうことがあります。これは今後の課題です。

 以前「言花(KOTOHANA)」という“感情を光で表現”する機器を参考展示しました。このような機能や世界観も含め、今後何らかの形で「高度な感情表現」機能を実現したいです。

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