また同社ブースでは、従来のHSPAをさらに高速化したHSPA+(HSPA Evolution)関連技術のアップデートも公開。HSPA+の帯域をより広く使って複数の伝送波を使って高速化するHSPA+Multicarrierは、10MHzの帯域幅に5MHzのHSPA+伝送波をのせて下り最大42Mbps、平均30Mbps程度の転送速度でHDビデオのスムーズなストリーミングを実演。さらに、十分な帯域幅を取れない場合でも空間多重技術を用いて高速化できるHSPA+MIMOも紹介した。
HSPA+MulticarrierやHSPA+MIMOを使った今後のロードマップについては、下り最大28Mbps、上り最大11MbpsのHSPA+Release7を2009年中、下り速度を最大42Mbpsに高めたRelease8を2010年中にもサービス開始の予定。また2012年ごろには、Release9以降として下り84Mbps以上、上り22Mbps以上の転送速度を目指すという。
その先に控えるLTEについては、実際に電波を送出してHDビデオをストリーミングする様子を公開した。3G市場が立ち上がったばかりの欧州市場では、W-CDMAの拡張技術であるHSPA+へ注目が集まっていたが、クアルコムではLTEと3G(HSPA/W-CDMAやEV-DO/CDMA2000)そして2G(GSMやEGPRS)に対応するチップセット群をこの夏からサンプル出荷することで、3G(W-CDMA)からLTEへのスムーズな移行が可能であることをアピールした。
またモバイル放送規格であるMediaFLOについては、対応スマートフォンだけでなくPCでストリーミングを見るための受信機や、iPhoneなどMediaFLOに対応しない機器へ映像を無線LANで中継するデバイスなど、日本のワンセグのように非ケータイ分野への展開も示していた。MediaFLO波は会場内の臨時基地局のほか、仮免許を取得してバルセロナ市内の3カ所の基地局から直接送信していた。


またMediaFLOには、番組のストリーミングだけでなく、指定したコンテンツをポッドキャストのようにダウンロードする蓄積型クリップキャスト、天気予報やメッセンジャーを待受画面に表示するIPデータキャスティング、チャットなどのメッセージングやコンテンツへのレイティングを3G網を通じて送信するインタラクティブ・サービスといったサービスに対応する
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