iPhoneでも読める──けっこう便利な「iモード.net モバイルモード」

» 2009年09月04日 22時24分 公開
[村上福之(クレイジーワークス),ITmedia]

 NTTドコモが提供している、「iモード.net」というサービスがある。もともとはPCのWebブラウザでiモードのメールを読み書きできるサービスとして、月額210円でスタートしたものだ。2008年3月にサービスが始まったときには、変にJavaScriptを多用した重たいページで、動作も遅く、Internet Explorerでしか利用できないという、お世辞にもよくできているとは言いがたいサービスだった。

 しかしここ最近、HTC製のGoogleケータイこと「HT-03A」や東芝製のWindows Mobile端末「T-01A」など、ドコモからスマートフォンが立て続けにリリースされたことを受け、2009年4月からiモード.netでスマートフォン向けのモバイル版サービスの提供が始まった。

 iモード.netを利用するためには、月額315円のiモード契約と210円のiモード.netの契約が必要になるとはいえ、これだけでiモード非対応の機種でもiモードメールの送受信が可能になるのがポイントだ。モバイルモードの推奨モデルは「HT-01A」「HT-02A」「HT-03A」「BlackBerry Bold」「T-01A」の5機種のみとなっているが、実はこれは動作保証をしていないだけで、他キャリアの端末からでもアクセスして利用できる。

Photo SIMロックフリー版のNokia E61でも利用できた

 要するに、ドコモがリリースしていないケータイでもiモード.netが利用できるということだ。例えば、筆者の持っているSIMロックフリー版の「Nokia E61」にドコモのSIMを差してiモード.netにアクセスすれば、普通にiモードメールが読めてしまう。絵文字も問題なく表示された。このE61は、Nokiaが販売しているもを購入したので、ドコモがサポートしているものではない。

 さらに、au(KDDI)のケータイでもiモードメールが送受信できてしまう。試しに東芝製のau端末「Sportio」のPCサイトブラウザでiモード.netにアクセスしてみたところ、あっさり利用できた。auからdocomo.ne.jpのドメインのメールが送れてしまうというのは、非常に不思議な気分だ。残念ながら絵文字は表示されなかったが、これを見る限り、キャリアによるIPアドレスの制限など行われていないようだ。

 電話帳お預かりサービスに加入していると、iモード.netにログイン後は、ドコモに預けてあるアドレス帳のデータが簡単に参照できる。iモード対応端末のバッテリーが万が一切れてしまっても、端末がもう1台あれば、PCがなくてもiモードメールが使えてしまうわけだ。


PhotoPhoto 左はau端末上で動作するiモード.net。右はSportioでお預かりサービスにアップロードされたアドレス帳を参照しているところ

 試しに「iPhone 3G」のSafariでアクセスしてみたところ、レイアウトが画面にフィットせずちょっと扱いにくかったものの、問題なく利用できた。

Photo iPhone 3GのSafariでもiモードメールのチェックができた。もちろんメールの作成も可能

 結論として、iモード.netは「フルブラウザが動作するデバイスならば、なんでもiモードメールが読める」ようになったと言えそうだ。JavaScriptをサポートしていないブラウザでも動くように思われる。ここまでオープンに開放されていると、au端末のオープンアプリプレイヤー上で動作するJavaアプリ(通信量の制限はあるが)や、ソフトバンクモバイルのS!アプリでiモードのメールクライアントを作ることも可能なように思われる。

 iモード.netはWebサービスなので、プッシュでメールを受け取ることはできないほか、月額210円の有料サービスとなっている点は残念だが、複数台のケータイを持ち歩いている人には便利なサービスと言えそうだ。なお、前述のとおり動作を保証しているのはドコモのPROシリーズに属するスマートフォンのみなので、ほかの端末での利用は自己責任で行う必要がある。

 しかしながら、ドコモが今後、オープンな方針を取るといっていたのは、まんざらウソでもなさそうだ。ガラパゴスの象徴とも言われるiモードが、扉を少し開けたように思えた。

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